「なんだ、この猫」
「勝手について来ただけね」
「にゃーーぁ」
この眉なし、フェイタンの知り合いかな。友達かな。ずっと、見上げていたからか急に声をあげられて思わず身体が反応して反射的に逃げようとして壁に頭をぶつけてしまった。
「にゃぁ??!」
この壁、痛い。
「大丈夫か、お前」
「にゃー、」
大丈夫じゃないです、すごく痛いです。
「にゃにゃにゃぁー」
「そうか、大丈夫か」
「にゃにゃあ!」
通じていないし! 痛いの。大丈夫じゃないの。
「それにしても、フェイが猫を、」
「死にたいか」
黒いオーラという殺気をフィンクスに向ける。ピリピリとした空気の中、猫はぶるっと身体を震わせた。
「冗談だって、フェイ」
そこへ入って来たのはシャルナーク。
「どうしたの2人共」
「にゃぁー」
「うわぁ、…びっくりした。猫か。この猫、どころから入ってきただろう」
「フェイに懐いている猫だ」
「は? フェイタンに。物好きの猫もいるもんだね」
「にゃぁー」
シャルナークは、しゃがみ込んで猫の頭を撫でると、気持ちよさそうに喉を鳴らした。
懐かれるのも鬱陶しいが、他の人に懐かれるのも癪に触る。
フェイタンのオーラが微かに上がる。
「っ、…にゃ!?」
「ははは、君も気づいたの。すごいね。ほら、行っておいで」
「にゃん」
任せて! って言うように一声鳴いてフェイタンのところに走って向かった。
「邪魔ね。あち行くよ」
「にゃ」
一人分空けた場所に身体を丸めて眠りにつく。
今日は疲れたな。たくさん走った。
途中でフェイタン見失うし、走ってばっかりだった。
眠りについたころ他のメンバーも集まって来てフェイタンの隣でスヤスヤと寝ている猫に気づくと面白がされたのは言うまでない。
アジトについていく