「にゃん!」
「おー、場地のところのねこ」
「にゃん」
ドラケンくんは、屈んで私を頭を撫でてくれる。
ドラケンくんが屈んで頭を撫でると、マイキーくんも私の頭を撫でてくれた。
ごろごろと喉が鳴る。
ドラケンくんは、見た目はどこぞのヤクザ? って思うくらい見た目が怖いけど、頭に龍の入れ墨をしているもん。はじめて逢ったときは、ビビりまくって、地場くんの懐に潜って顔だけ出したら、すごく笑われて、「嫌われた?」と言う言葉があまりにも優しくて、胸の奥がきゅんと傷んだ。
見た目で判断したらダメだよね! そう思って、地場くんから離れて近づいたら、ニカっと笑て、私の頭を指先で慣れでくれたのを覚えている。
「お散歩か?」
「にゃん」
「はは、おまえ、人間の言葉が分かっているみてぇだな」
「にゃん、にゃん」
マイキーくん、少年のような感じな不思議なひと。
笑顔のときもあれば、またに笑顔が消えて、感情が見えないときがある。その時のマイキーくんは、なんだか怖い。なんとも言えない恐怖がある。
たとえば、暗い海の底にいるような、瞳に光をささない。何かにかに怯えているような、抱えてきれない闇を感じる。いつか、壊れてしまうじゃないかって心配になる。
猫になったからか、それとも、いろんな個性あふれるひとたちと関わってきたからなのか、人間の感情は読み取れるようになってきた。
地場くんの大切なお供だちだから、私にできることなら助けになりたいって思うけど、今、猫だし。猫にできることなんて限られている。
「にゃん」
だいすきだよ! って、気持ちを込めて、私の頭を撫でてくれた手に頬を寄せて、すりすりとした。