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薄暗い室内。
無機質な空間。
唯一、光の差し込む窓をぼんやりと見つめる小さな背中があった。
不健康なほどに白い肌。
折れそうなほど細い体。
深くくっきりと浮かんだ隈。
光を写さぬ瞳。
その表情からは、何の感情も読み取れない。
ーーカツ、コツ、
音が聞こえる。
しかし少年は微動だにしない。
ーーぎぃ...ぃ
「出ろ」
扉が開くと同時に、どこか気だるげな男の声が聞こえる。
すぅっと少年の目だけがそちらへ動く。
それ以外に少年に動きは見られないが、男は慣れているのだろう。
背を向けて来た道を引き返し始めた。
ーーガツ、
鈍い音を鳴らしながら、少年はゆっくりと動き出す。
そこに何が待ち受けているのか知らないまま。
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