前髪越しに、額になにかが触れた。ゆっくりと目を開く。こちらを見つめていた宝石みたいにきれいなミント色の瞳がこちらを見つめていた。

「ごめん、起こしちゃったかな」
「琉唯くん……?」

 どうしてここに? そう聞きかけて、今日はふたり揃ってのオフで、部屋に琉唯くんが遊びに来てくれていたことを思い出した。
 お昼ご飯を食べ終えて、琉唯くんおすすめの映画を観ながらごろごろしているうちに寝てしまったらしい。映画はすでにエンドロールが流れていて、寝落ちてしまってからかなり時間が経っているようだった。
 丁寧に掛けられたタオルケットに恥ずかしくなる。久しぶりのオフで、ふたりでゆっくり過ごせる貴重な時間だったのに。

「ごめんね、せっかく選んでくれた映画だったのに……」
「疲れてるんだろ? 気にしないで。……ふふ、俺が先に起きることってあまりないから、きみの寝顔が眺められて楽しかったよ」
「も、もしかしてずっと見てたの……⁉」

 さっと口元に手をやる。琉唯くんは「可愛かった」と言ってくれているけど、そういう問題じゃない。

「でも、きみを見ていたら俺まで眠くなってきたな」

 タオルケットごとぎゅっと抱きしめられる。琉唯くんの爽やかな香りがふわりと広がった。

「もう少し昼寝しようか」

 こくり、頷く。満足げな微笑み。しばらくして、すぅすぅと寝息が聞こえてきた。
 長いまつ毛、透き通るような白い肌、色素の薄い、柔らかい髪。琉唯くんの腕の中でなんて緊張で眠れそうにないから、今度は私が寝顔を眺めていよう。

「おやすみ、琉唯くん」

 そんな休日の過ごしかただって、きっとたまにはありなはずだ。
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