美しきガーベラより


例えば君をカードにするとしよう。
そしたらどうだ、君はもう僕だけのもの。

君はエクシーズ次元の人間だからさぞや嫌がるだろうね。
でも関係ないよ。
君たちは僕たちに蹂躙されればいい。
それが僕たちに課された任務だからね。
僕はそれに従い、君たちをカードにする。

でも、君だけは別だよ。
カードにしてからも大切にしてあげる。
僕だけのものにして、愛してあげる。
僕ならどんな君も愛せるさ。
君ならいいんだ。形なんて関係ない。

「だから、そんな風に睨まないでくれるかい」

地面に倒れ込んだ名前は鋭い瞳で僕を睨み付ける。
そう、その目だ。
僕はその目が好き。
ああ、歪ませたい。
きっと僕はおかしいんだよ。
でも構わないさ。
好きになってしまったのは仕方ないじゃないか。

ああ、こんなに危機的状態なのに君はまだ僕を睨むのかい。
本当に可愛い人だ。
無邪気で、馬鹿だね。
賢いとは言えないよ。

「媚びを売ろうとは思わないのかい?」
「媚び……?売るわけないでしょ、このゲスがっ…!!」

少々口が悪いようだね。
それでも構わないよ。僕は嫌いじゃない。
躾甲斐があってワクワクする。
だから馬鹿な子はたまらない。

「いつか跪かせてあげるよ」
「ほざいてろ…!!」

ぼろぼろな身体でよくやるよ。
僕を怒らせたいのかな?残念だけど、可愛い口から放たれる言葉にムカつきはしないよ。

「そうだ、君をカードにしたらガーベラを飾ろう」

ガーベラの花言葉は「究極美」。
だけれどきっと、カードになった名前はガーベラよりも素晴らしい美しさになるんだろう。
たくさんのガーベラに囲まれた、それよりも綺麗な名前を見てみたい。ああ、見てみたい。

「名前、君をカードにするよ」
「………」

うんともすんとも言わない、か。
反抗的なことを言うかと思ったけれど、つまらないな。
まあ、それでもいい。
早く彼女をカードにしてしまいたい。

カードにしたら僕のものだ。
生意気な目も、悪態しか吐かない口も全て僕のもの。
名前が嫌いな、僕の。
ああ。ああ。ああたまらない。
さぞ屈辱的だろう。
残念。もう君は僕の手中さ。
飾って愛でるのも、破いて殺すのも、全て僕の自由。

「大好きだよ、名前。これからを僕と過ごすんだ。これは命令だよ」
「嫌よ」

未だに燃えるような闘志を抱いたようなその目を見つめながら、僕はボタンを押した。

ようこそ、僕のもとへ。
これからずっと愛してあげる。