性質の悪い無自覚@
相変わらず展開早くてめちゃくちゃですみません(;_;)
主は内心では杉元君呼び→本人にはさん呼びです。
n番煎じですが外套えっちは良きですよね〜次回えろに突入出来たらと思ってる。
∞----------------------------𓏲𓎨ෆ ̖́-
朝食の時間になっても中々戻って来ない私達(特に私)を心配して、杉元君が捜しに来た。
おーいと声を掛けられ、弾かれたように振り向くと、杉元君の顔が見る見るうちに険しくなっていく。
「尾形てめぇ!なまえさんに何やってんだ?!」
涙目になっているのを、百ちゃんが私に絡んで泣かせていると思ったらしく、物凄い形相で近寄って来る。
「ち、違うの!杉元さん」
「そうだぞ、杉元一等卒ぅ。こいつが恋人やらに会いたいと泣いていたから慰めてやってたんじゃねぇか。なぁ?なまえ」
「え、そうなの?」
口付けをしてましたなんて口が裂けても言える筈もなく、内心焦りながら誤解です、と言うと百ちゃんが透かさず私の肩に手を回してそう言った。
同意を求めるように名前を呼ばれる。肩に力が込められ、はははと乾いた笑い声を出して頷いた。
百ちゃんがさぞ可笑しいとでも言いたげに、にやにやしているが、それに杉元君は気付かない。
『そっかぁ…ごめんね、勘違いして』と私に憐れむような視線を向けると、百ちゃんが『おいおい、俺に謝罪はねぇのかよ』と態とらしく肩を竦めていた。
杉元君は疑うこともせず信じてしまい、私は内心複雑だった。平然と嘘が口から出る百ちゃんは役者になれるよ。
肩に回されていた腕をするすると腰元へと移動させ引き寄せられる。自然と密着する身体に悲鳴を上げそうになる。
杉元君はあわわ…と頬を染めて『アシㇼパさんが待ってるからさっさと来いよ!』と先に戻って行った。
アシㇼパちゃん達の所へ戻ると、『やっと戻って来たか!遅いぞ!』とアシㇼパちゃんに窘められる。ごめんなさいと謝る私に対し、百ちゃんは飄々としている。
私と百ちゃんの距離が縮まっていることに、アシㇼパちゃんは驚くでもなく、仲良くなったなと微笑ましそうに見てきて、正直居心地が悪い。純粋なアシㇼパちゃんが眩しかった。
ご飯を食べながら、元の世界のことを話す。信じて貰えないかもしれないけど、と前置きすると空から降ってきた時点で未来から来たのは明白だったと、私を信じると言ってくれたアシㇼパちゃんに涙が出そうだった。
心細くて仕方なかった。百ちゃんには冷たくあしらわれ、当然の対応だと分かるけど恋人と全く同じ容姿をした男にそんな扱いを受けるとショックの方が大きかった。
でも、その態度は一変して百ちゃんは私の隣に座って黙々とご飯を食べている。面白い玩具が見つかったとでも思っているのだろうか。それはそれで複雑だけど、冷たくされるよりは良い。密かな拠り所にさせてもらおうと思う。
昨日は必死すぎて気付かなかったけど、『変わった服装だな』と言われ改めて自分の身体を見る。
裏起毛の部屋着を着ているにしても、冬の寒さに耐えるのは厳しい。寝室で寝ていたから当然裸足だと思ったけど、トリップ特典でもついているのか、ムートンブーツを履いていた。
寒さを認めると、くしゃみが出てしまい、百ちゃんに『移すなよ』と嫌そうな顔をされた。それなら離れればいいのに、そう言うだけで離れる気配はない。
流石に寒そうだと、アシㇼパちゃんに上着を貰った。有難い。
︙
それでもやっぱり夜は一段と冷える。
お酒を飲んで酔っ払って寝ている皆とは違い、私は上着を貰ったものの冷え性が祟って寒くて中々眠ることが出来ない。いつもふかふかのベッドで百ちゃんの体温を分けてもらってぬくぬくで寝ているから、硬い地面で寝ることに全く慣れない。
かたかた震えていると、『おい』と声を掛けられた。視線を声がした方へ向けると、背中を向けて丸まって寝ていると思っていた百ちゃんが身体の向きを変えて私を見ていた。
相変わらず何を考えているか分からない無表情で見られ、怪訝そうに首を傾げれば、百ちゃんは『こっちに来い』と顎で地面を刳った。
え、とかう、とか言葉を知らない赤ちゃんのように単音しか声に出ない。私が理解出来ていないと思った百ちゃんは舌打ち一つして、外套を捲った。『さっさと来い』と苛立った声音に、百ちゃんの気が変わらないうちに怖ず怖ずとそちらに移動すると、腕を引っ張られて外套の中へと引き込まれた。
百ちゃんの匂いが一気に濃くなる。百ちゃんが汗を掻いた時の臭いだ。全く嫌な匂いじゃないのは、匂いも含めて私が百ちゃんを好きな証拠だ。硝煙の匂いを百ちゃんの煙草の匂いだと思えば、胸がきゅっと締め付けられた。
すりすりと百ちゃんの胸に額を擦り付けて目を瞑れば、大胆な行動をする私に呆れたのか何なのか、百ちゃんは『お前……』と呟いた。
人差し指で私の顎の下に触れた百ちゃんがくいっと私の顔を持ち上げた。
自然と視線が絡み合う。お互い目を逸らさず見つめ合っていると、百ちゃんが顔を近付けてきた。
顎を掴まれているから顔を背けることが出来ない。否、掴まれていなくても、逃げなかっただろう。
とろり、と瞳が濡れる。期待した顔をしているかもしれない。ふ、と唇に百ちゃんの吐息が掛かり、思わず身体が震えた。
「百ちゃん、駄目……」
「ははぁ、んな物欲しそうな目ぇして説得力ねぇだろうが」
百ちゃんの口を手で覆って制止するけど、百ちゃんは私の手首を掴んで簡単に引き剥がした。口では駄目だと言いながら、本気で嫌がっている訳じゃないと、べろりと見せつけるように私の指を舐めた。
ひぃっと悲鳴をあげる。百ちゃんはにぃっと口端を吊り上げ、指の間をねっとりと舐った。