次に生まれ変わったら
最期まで愛を信じられなかった尾形と今世では関わりたくないと逃げる主の話
《注意事項》
*またしても突然思いついてシリーズ化してしまった見切り発車、続くかは分からない
*n番煎じネタ
* 原作沿いではないご都合主義
*突然始まって突然終わる
*なんでも許せる人向けです。
*好き勝手に書き散らしているので合わない人はブラウザ閉じて下さい。
*誰にも配慮していません。
∞----------------------------𓏲𓎨ෆ ̖́-
私には、生まれた時からぼんやりと誰かの記憶があった。
それが前世の記憶なのだとはっきり分かったのは、物心がついた時だった。
生まれながらに持った記憶は、それはもう衝撃的なものであった。
前世は前世であって、今世の私とは別人だと思うけれど、鮮明に思い出してしまった今、障害が出始めた。それは恋愛面においてだ。
記憶の中のある男が脳裏に焼き付いて離れないのだ。特徴的な眉毛、左右対称の切れ長の瞳はハイライトの無い真黒色をしている。その睫毛の長さまで鮮明に覚えているのは、幾度となく至近距離で見つめる事が出来たからだ。
両頬の傷跡と、瞳孔を細める様子が猫のようだった。無骨な指は、長年銃を扱っていた為にタコが出来ていた。ツーブロックにした前髪を撫で付ける癖、特徴的な笑い方、低く甘い声音……彼を思うだけでぎゅっと胸が締め付けられる。
好きだった。本気で愛した。
けれども彼は……私を傍に置いておきながら、一度手を取ったにも関わらず、自死という形で私の手を離したのだ。
親からの祝福を受けたことがない彼は、祝福される事を望んでいた。愛するという事が分からないと言いながら、私の気持ちを受け入れていた筈だった。
けれども、金塊争奪戦が佳境に入るにつれ、彼が不安定になる事が増えた。彼の意識は、私よりも異母弟を重ねたアイヌの少女へと向けられていた。
悔しい、と思った。醜い嫉妬だ。子供に向けるべき感情ではないと頭では分かっているのに、女である私は彼女にどす黒い感情を抱いてしまったのだ。
そんな自分に自己嫌悪する。
《ああ、結局、貴方の中には私の存在なんてちっぽけなものだったのね……》
倒れゆく彼を、私は只見ている事しか出来なかった。
馬に乗って列車を追い掛ける最中、見えた光景。嘘であって欲しいと何度も願った。彼は私を連れていくでもなく、一人で逝ってしまったのだ。
ぽっかりと開いてしまった心は埋めようがなかった。残された私は考える事を放棄して、病院へと入れられ、そこで生を終えた。
生まれ変わる事が出来るのならば、彼ともう一度共に歩むのではなく、別の人と……。
そう思ったのだけれど、神は私に彼を忘れる事を許さなかった。
告白されて付き合っても、彼の事がちらついてどれも長続きしなかった。
もう誰かと恋愛するのは諦めようと思っていた時、それは突然やってきた。
「……なまえ、か?」
「えっ……はい」
「俺の事を覚えているか」
「え、と…どちら様でしょうか?」
すれ違いざまにぶつかってしまい、頭を下げる。『ああ、こちらこそすみません』と耳に心地好い低音が頭上で聞こえた。髪を耳に掛けて視線を移動させる。視界に入ってきた目の前の男が、目を瞠る。私も吃驚して声を上げそうになるのをぐっと堪えて、不審者を見るような表情を浮かべた。
目の前の男――尾形百之助――は私の事を覚えていた。私も覚えている。でも知られる訳にはいかなかった。
必死で表情を作って、怯えた風に装うと踵を返して足早にその場を去った。
立ち尽くす尾形さんが、何とも言えない傷付いたような表情を浮かべていた事を、私は知る由もない。
すっかり拗らせてしまっている私は、あの時のように好きだという事も、認める事も出来ないのである。
この日をきっかけに尾形さんと再び再開して、記憶がないフリをして逃げる私と何としても手に入れたい尾形さんとの攻防が始まるのだった……。
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《後書きという名の言い訳》
タイトルが付けたいがためにシリーズ化してしまいました。miletの《hanataba》良いですよね〜この曲聴いてたら、好きなのに素直になれない主と追い掛ける尾形さんの話が書いてみたくなって、書きたいところだけ書きました。
n番煎じネタですみません。
主的には前世が辛くて(そればっかりじゃなくて幸せだった記憶もあるから余計に忘れられない)、あんな想いはもうしたくないから尾形さんとは関わりたくないのに、尾形さんとはどうしても離れる事を許されない運命にあり、絶望する。尾形さん的には自分がした事を棚に上げて祝福を与えたのはお前なんだから責任持て、みたいな感じでめちゃくちゃ主に執着する。
尾形さんには幸せになって欲しいので何だかんだで引っ付いて甘々にしたいと思いつつ、予定は未定です。