朔哉「『思い出というのは、とても大切なものです。ただ……みなさんも知っているとは思いますが、人間は忘れる。そういう生き物です。忘却は時として人を助けますが、それだけにとても残酷でもあります。どうしてだかわかりますか?時間が経つにつれ、大人になるにつれ……人は、子供の頃の純粋な気持ちや思い出を忘れていってしまうからです。……もちろん、生きるためには忘れることも必要だから、なんですけどね。ただ、大人になるとわかるんですよ。子供だった頃の小さな思い出や、子供の頃に抱いた夢が、大人になった自分を支えてくれることがあるんです。人は皆、大人になります。ですが、ただ歳を重ねて大きくなることが重要だというわけではないんですよ。大人になることで、何ができるのか。子供の頃に強く願ったこと、思ったことを現実にできるのか。……それが、大切なんだと思うんです。ですから、ただ漫然と時を過ごさないでください。今、この時間を少しでも長く覚えていられるように。今を生きている自分を、その気持ちを大切にしましょう。――未来は決まっていません。何が起こるかなんて、誰にもわからない。きっと、無駄なことなんてありませんよ。本当は、もっと大人になることに対する夢や希望を語っておくべきなのかもしれませんけどねえ。子供も大人も、どちらかが良くてどちらかが悪いなんてことはありません。。いちばん大切なのは【今】です。今、ここに生きている自分自身。それを、何よりも大事にしてください。それだけは、忘れないでいてほしい』」
朔哉「『彼らが自主的に考えて行動を起こした、それは間違いなくいいことだよね。……かくれんぼ、か。久しぶりだなあ。……よし。たまには本気、出してみようか』
朔哉「『先生を困らせたいなら、もう少しがんばって準備をしたほうがいいですね。1日では難しいと思いますよ?』」
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