愛を込めて祝福を
『皙』時計の針が12時を回った頃、部屋に大好きな声が響く。
『まれうす…?』
眠い目を擦りながら呼びかけに応えるもまだ視界はぽやぽやとしている。
『嗚呼、僕だ。起きてくれ』
そう言ってあたしの寝ているベッドに腰掛けてくる。
『主役が眠っていてはどうすればいいかわからなくなるだろう?』
主役…?
寝起きの回らない頭を必死に働かせる。
『あ!あたしの誕生日…』
『誕生日おめでとう皙。僕の可愛い人の子よ』
愛を込めて祝福を
そう微笑んだマレウスはあたしの首元に何かをつけた。
『ペンダント…?とっても綺麗…!』
大好きなマレウスからの贈り物に思わず口角が上がる。
『喜んでもらえたようで何よりだ。初めはガーゴイルを贈ろうと思っていたのだが此処には置く場所がないからな。』
衝撃の告白にぷっと吐き出すとともに安堵した。あんな物と言ってはなんだが置く場所はないし部屋にあるとちょっと怖い。
『綺麗な石…ねぇマレウス!これなんて名前なの?』
嵌め込まれた石が白く輝くペンダントトップを手に取り問いかける。
『ムーンストーンという石だ。幸運という意味のあるものらしい。誕生日に贈るにはぴったりだと思わないか?』
自信ありげに応える顔に微笑ましいなと思う。
『そうだね、ありがとう!マレウスからのプレゼント大事にするね!』
部屋には2人の静かな笑い声と1匹の寝息。
願わくばこんな幸せが続きますように。