「近い未来、ボーダーにとってもおまえにとっても大きな変化が起こる。おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
久しぶりに出会った彼の言葉が何故だか頭を過ぎった。
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嫌な予感がした。溜息と舌打ちを吐き捨てて席を立つ。もうすぐ授業開始の合図が鳴るであろう時間帯の廊下には、これから起こるであろう事態とは到底かけ離れた平穏極まりない空気で溢れている。教室に向かう生徒の群れを掻き分け逆走。鈍い音を立てて開いた扉の先は屋上。
「来る」
──緊急警報
門が市街地に発生します──
授業開始の合図が先か、此方が先か。けたたましいサイレンが鳴り響く。黒い空間が空に広がりそこから現れた異形の物にまた舌打ちを吐き捨て、大きく地面を蹴った。
「おまえ、これから本部に顔出すように。あと、ちゃんと学校も行きなさい。それがおまえにとっての最善の未来だ」
「何ですかそれ?」
「近い未来、ボーダーにとってもおまえにとっても大きな変化が起こる。おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
「じゃあその予知、ボーダーの事はとにかく私の事は信用出来ないですね。だって、」
私の未来は視えないでしょ
(何時も私がそう返す度、彼はつらそうな、悲しそうな顔をするんだ)
00 歯車にはなれない
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