【スクルドの時計は動かない】





此処は何処だろうか

光など無い 一面の黒い闇

深い 深い海の底を漂っている気分だ


走馬灯のように頭の中を駆け巡る映像


嗚呼そうだ

私は 戦っていたんだ


雨取は大丈夫だっただろうか


三雲は無事だっただろうか


皆を 守れただろうか──




私は 死んだのか?


"名前"

遠くの方から声が聞こえる
私を呼ぶ声がする


誰? 私を呼ぶこの声は──


"何を寝ぼけている"

(お前は)

"まだお前に死なれては困るんだ"

(当たり前だ私も困る)

"それでこそ俺の器に相応しい"

(黙れ)

"さあ早く目を覚ませ そして 更に苦しむといい"



"名前"

闇を照らす一筋の光

私を呼ぶ声


私を待っていてくれている人がいる


ならば


(今回ばかりは感謝してやるよ)

"戯言を 忘れるな 未来永劫お前は逃れられない これは呪いだ"

(わかってるよ)

"精々苦しめ 俺が最後まで見届けてやる"



光を掴んだ
(長い夢から目を覚ますと見慣れた顔が出迎えてくれた)


いま確かな声が聞こえる

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