例えばの話。
自分の前世は何だったと、知ったら人はどう感じるのだろうか。

もし自分の前世が動物なら? 男なら? 女なら? 名を馳せた偉人なら?

想像するだけなら楽しいのかも知れない。
だけど、それを知ってしまったら――


前世の記憶を持ったまま、再びこの現世に還り堕ちた


輪廻転生


姿形は違えど、私の中にある記憶がそれを証明している。


私、苗字名前は――【徳川家康】の生まれ変わりだと。



その事実を知ったのは小学生の時。教科書に書かれた数々の歴史が頭を駆け巡り、そして知った。社会科見学の一環で徳川家の墓を訪れた時、涙が止まらなかった。こんなこと普通じゃないと思っていた私の考えを大きく覆された大学一年の春。

彼と運命的な出逢いを果たす。

赤銅色の髪と鋭い眼差し。
前世と変わらぬその姿。


一目見た瞬間、心臓が痛いくらいに鼓動して血液が全身を駆け巡る。

関わってはいけない。
近付いてはいけない。


私【徳川家康】の――身体が、血が、魂が叫んだ。



「石田、三成…」




(貴方は昔、私が殺した)
(でも貴方は覚えていない)
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