月森が膝枕してくれとせがむものだから、仕方なく膝を貸すと喜んだ様子で頭を乗せた。今日は甘えたの気分なのかと茶化して言えば、そうだとちょっと不満げに言って腹に顔を埋める。生暖かな熱を感じつつ、やることのない手で月森の髪を掬ったりして遊ぶ。髪の毛さらさらだなあと羨ましがっていると月森が手で腰回りを撫でてきた。「前より柔らかさが…」モゴモゴと腹で動かされるのでくすぐったく止めるよう頭を軽く叩くも静止する様子はまるでない。ましてや段々行動はエスカレートして、服の下に手を這わせてきた。ゆっくりと感触を確かめるように撫でられる。キャミソールの上からなのが幸いとも言い難いけれど、あんまりにも触り方が厭らしくて今度こそ止めるよう彼の腹を強めに叩く。ヴッと悶え手の動きが止まり、腹から顔を離し彼は痛いと訴えかけた。変なところ触るから悪いと諭すも認められないと言いたげな表情をする月森。
「触ってただけだ。それに服の上だろ?…それとも感じてた?」
変なことを口走るものだから、もう一度どつくも月森はにやにや笑って誤魔化す。
「あはは、怒るなよ。あはは」
悪気なんてない、そんな天満な笑みを浮かべるので何だか許してしまう心情に突き動かされてしまう。惚れた弱みってこういうことなのだろうか。



「あのーお二人さん?俺もいる前でイチャつかないでくれません?スッゲー虚しんだけど…」


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