左手薬指に残る熱


マゼンタは桜色の髪を揺らして、リルベ地方のポケモンセンターに訪れた。
運んでくれたドンカラスをボールにしまう。

「いらっしゃいませー。って…マ、マゼンタ!?そ、その子は!!!」
「…それより早くこいつを治療してやってくれ。重症なんだ」

「ゾロア…」

ゾロアを見つめるマゼンタの瞳は、いつになく揺らいでいた。
「ハイ!元気になったわよ!なんでこんなことになったの?」
「オレの手持ちのゾロアークが見つけたんだ。瀕死になってるこいつをな」

『ゾロ!』

マシロはゾロアークの声を聞いてこういった。
「ゾロアークが、私の子どもを直してくれてありがとうっていってるわ」

「…は?」
「私達も、早く子どもを産まないとね!」
「なっ〜なにを!!!???」

「あ!それと怪我してたわよ、あなた!」
「〜〜〜ッ!!!」

薬指に塗られた塗り薬がべとべとする。
そして、マシロの言った『あなた』とは。
いつもの冗談じゃないのか。
しかし、あのゾロアは本当にゾロアークの子どもだったのか。

「行くぞ、ドンカラス」

「また来てね〜」
「…ああ」

彼女のあんな嬉しそうな表情を見たら『後で覚えとけ』なんて言えるわけがない。

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