とある日、荘園内では新しいサバイバー、
納棺師の話題で持ち切りだった。
『 うわああ…納棺師さんかぁ…
どんな人なんだろう… 』
「 すごい楽しそうね。
私もどんな人か楽しみだわ。 」
そんな他愛もない話を祭司としていた所、ギィ…と
荘園の古ぼけた扉が開く音がした。
全員の視線が扉に向かう。
『 わぁ… 』
つい声が出てしまった。
視線の先にはグレーの髪でマスクをつけた
ほっそりとした背の高い男が立っていた。
『 ふ、ふふふフィオナちゃん…!
え、え、え、どうしよう!
とてつもないイケメンさんだ…! 』
「 クス…ゆめ、声が大きいわよ。
でも確かにかっこいいわね 」
『 性癖グサグサ…おうふ…尊い… 』
そんな会話をコソコソとしながら
納棺師さんの方を見る。
するとなんということでしょう。
バッチリ目が合ってしまいました。
あらやだ。
然しその目は光が宿っていない、
重く暗い瞳だった。
その瞳はこちらを見たまま動かない。
あまりの恐怖に背筋が凍り
『 ひっ… 』と声が出る。
狂ったようなあの瞳。
まるで病んでいるかのような、
愛おしいものを見ているような瞳だった。
「 大丈夫? 」と声をかけられ、
ふと我に返る。
『 大丈夫だよ 』とだけ返事をし、
席を外そうとする。
すると
「 紹介するなの! 」 と
明るく可愛らしい声が部屋に響く。
納棺師さんの紹介が始まってしまった。
席を外そうにも外せない状況。
やばいねこれ。
とりあえず目を合わせないようにしようと
じっと下を向き俯く。
「 …納棺師、イソップカールです。
よろしくお願いします…。えっと……~~… 」
と納棺師さん、イソップさんが挨拶をする。
しばらくすると「 大丈夫ですか? 」と
聞きなれない、魅惑的な声が聞こえた。
ふと見てみるとその声の主は
イソップさんだった。
なんとか目を合わせないことに
集中をしていた為、
話なんか聞いていなかったせいで、
いつの間にか終わり、
いつの間にか二人きりになっていた。
『 だ、だだだ大丈夫です…
そ、それじゃ… 』
「 待ってください。 」
動かない体、手首にあたたかい感覚。
視界の先にはにんまりと怪しく笑う
納棺師のイソップさん。
「 これからよろしくお願いしますね。」
" 僕の未来のお嫁さん "
これが彼と私の出会い。