惚れたが負け、諦めなさいな

珍しく言い争いになって、喧嘩したいわけじゃないのにお互い引っ込みつかなくなって、口をついて出た言葉にカチンときて、少し沈黙。どうしよう、気まずくなっちゃうなと後悔していたら、私よりも先に龍臣くんが口を開いた。

「子供、子供って俺のこといつまでも子供扱いしてますけど、俺だってもうすぐ大人です。俺だって男です。俺は、あなたの彼氏です。だから……」

どうにもこうにも、私はこの瞳に弱いらしい。

「だからちゃんと見てください」

……ごめん。意地張って。子供なのは私の方だったね。