だれかの忘れ物

「夏子、ちょっとこっち来て」
「んー?な〜に?」

素直に寄ってきた彼女の手を引いて、おでこに軽くキスをする。わっ、と驚いた顔をしたと思えば「びっくりした」と照れ笑う。

「夏子、あのさ」

今でも俺のこと好き?
そう聞くつもりで彼女の瞳を見つめた途端、アラーム音で目が覚めた。

いまさら きみの ゆめをみた。