火をつけて逃げろ

「龍臣くん、大丈夫?ハンカチ持った?」
「苗字さん、俺、そんな子供じゃないですよ?」

ハンカチって。と笑う君にまだどこか幼さを感じる。
そっかそっか子供じゃないのか、本当かな?と手を握って歩き出せば、「ヒャァ……」と上擦った声が聞こえた。
やっぱりまだまだ子供だね。手の平に滲んだ汗がその証拠。
ねぇ、私、大人になっていく君に見つめられたい。

龍臣くん、私と恋して。青春して。ラブ。