おとなになるには舌足らず

「龍臣くん龍臣くん」
「なんですか?」
「ちゅーして」

突然そんなことを言って目を瞑れば、彼は少し恥ずかしそうに、それでも嬉しそうに唇に触れてくれた。それが私も嬉しくて「もっと」とおねだりをすると、まだぎこちないキスを何度も返してくれる。

「んー……、まだ。もっともーっとして」
「……いいですけど、俺、止められなくなっちゃいますよ」
「いいよ、やめなくて」

そう言ったら、瞬く間に彼の顔が赤に染まっていった。

まだ、まだ。もっと深いとこまでちょうだい