つまるところ下心です

「ねぇ治良くん、今度の日曜デートしよ」

私がそう言うと治良くんは一瞬驚いたような顔をして、パッと明るく笑った。

「名前ちゅゎ〜んから誘ってくれるなんて嬉し〜〜!!もちオッケー!どこ行きたいの?俺どこにでもついてっちゃうよ〜〜!!」
「ん、観たい映画あるんだけど一人じゃ行きづらくて」

ほら、アレ。と壁に貼られたポスターに指をさす。カップルが喜びそうな純情系恋愛映画の広告。すると、治良くんはまたも意外そうに声をあげた。

「名前ちゃんこういうの好きなんだ〜〜?」
「んー、……んー」
「え〜?アレ?違う系〜〜??」
「違う系」

ならなんで、と言いたげな治良くんを遮って「11時に駅前集合にしよ」と告げると、治良くんもコロリと態度を変えて「オッケー!!」と頷いた。

ねぇ、もっと本気で意識して。