シカーダの叫び

「あー!彼女ほし〜〜〜!」

熱を放つアスファルトの上を並んで歩く君が、蝉みたいに叫んだ。
溶けつつあるアイスをかじりながら横目で見つめると「ねぇねぇ、名前ちゅぁ〜〜ん!誰か紹介してよ〜〜」と冗談ぽく甘えた声で顔を覗き込まれた。

「……一人おすすめの子がいるけど」
「えっ!?だれだれだれ〜〜!?どんな子!?」
「今治良くんの目の前にいる女の子」
「…………えっ……そ、それって……えっ!!?」

みーんみんみんみん、ミー。あいらぶゆーあいらぶゆー。