「ごめん、アンタのことは嫌いじゃないけどそういう目では見られない」

だから付き合えない。と、理穂さんは淡々と言葉を紡いだ。
俺は貴女のそんなハッキリしたところが好きで、今も大好きで、女々しくて情けない話かもしれないけれど、思い出しては泣けてくるんです。
どうにかせめて俺のことを意識してほしくて一生懸命貴女の隣に立っていたけど、赤いヒールを履いた貴女は俺より前を向いていて、ずっとずっと大人で、俺はずっとガキだった。

くじらの恋

追いつけなかった。追いつきたかった。