サボテンの花



「あのね、話っていうのは……」

名前氏から恋愛相談を持ちかけられた時、俺は心底驚いた。なにせ親友が恋のライバルになるとは思ってもみなかったからだ。

「あいつは良い奴ですよ」

それは事実だ。天田龍臣という男は悪い奴ではない。努力家で文武両道、俺に負けず劣らずタフで強く、信頼の置ける良い奴だ。まぁ、女性に対し時折鼻の下が伸びる姿については少々見苦しいものがあるが。親友を好いてもらえるということは、友として純粋に喜ばしい。それが貴方からの好意であったとしてもだ。

「ね、もっと聞かせて。龍臣くんのこと」

ただ、貴方を好いた男としての自分はやはり納得がいかないらしい。


さて、どうするべきか。

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