これまでの人生、大事な物を奪われてはその隙間に何か(・・)を捩じ込まれた。


俺には腹違いの兄貴が居て、どちらが妾の子なのか、二人共望まれない子供だったのか、そんなことは昔も今も分かりはしなかったが、とにかく異母兄弟という世間一般では険悪さの方を連想されそうな間柄であるにも関わらず、俺達は親密だった。

ずっと俯いていたから、憶えているのは無機質なリノリウムの床。
その上に横たわる馴染めなかった(・・・・・・・)子供たちの遺体。
俺もああなるんだな、って悲しみも伴わない瞳で見つめていたんだ。薄情な奴だよな。

得体の知れない何かが臓腑の中を蠢く。
頭から爪の先まで、何かが俺を支配している。
俺はもう、前の俺じゃない(・・・・・・・)

お前が感じた違和感っていうのは、既に俺の中に先客(・・)が居たからに他ならないんだと思う。
居心地悪い? 気持ち悪い?
本当にごめんな。俺が、……ヘマやらかさなければ、お前だってこんな宿主を選ぶ必要、無かったのに。

 


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