01
ぱちり。不意に目が覚めた。太陽の眩しい光が目を刺激してすぐに細める。暖かい風が吹いて全身を包み込んだ。
目の前には小さな子ども達が駆け回り、ブランコや滑り台といった遊具で遊んでいる。すぐ隣に視線を動かせば子ども達を見守りながらも仲良く談笑する母親達。遊具の後ろには出口であろう空間があり、その空間を縁取るように木が生い茂っている。なるほど。ここが公園だと理解するには充分だった。
そっと上を見上げれば太陽が頭のすぐ上にあるので、時間にしてみれば正午辺りだろうか。正直多少傾いていてもわからない。多分正午。
目を休めるように正面を向いて、そして公園内をくるりと見渡した。
――ここ、どこ?
音になりそうだった言葉を飲み込んだ。ここに来るまでの記憶が一切なくて首を捻る。
お昼まで寝ているのはいつもの事だとして、昨晩はお酒を飲んだ記憶も外に出た記憶もない。夢遊病だと診断された覚えもない。そして今いる規模の公園は、記憶の限り家の近くに存在しない。
耳を澄ませば車の走るエンジン音に混ざって母親たちの会話が聞こえてくる。話の内容は専ら最近立て続けに起こる物騒な事件に関してだった。自分がニュースを見ていないだけなのか、その事件に思い当たる節がなくてやっぱり首を捻るだけだった。
あとこれは凄い気のせいにしたいことだけど、聞こえてくる言葉のイントネーションが地元のものじゃない。きっと気のせい。そんなわけないよ。寝惚けてんのかな?
流石に半袖を着ていても太陽に照らされ続けては暑くて仕方がない。汗をかくまではいかなくても、それでもちょっと暑いな、とは思う。いつまでも見知らぬ公園に居続ける訳にもいかず、抱え込んでいた愛用のリュックからスマホを取り出して慣れた手つきで標準で入っているマップアプリを開いた。
ぱっと見た感じだと全く知らない場所。家までの距離を知るべく住所を打ち込むと一致する検索結果は見つかりませんでした≠フ文字。間違えたかと入力し直しても結果発表変わらず。
うそやろ……?
ネットで検索をかけたら似たような地名の場所は出てくるけれど、住んでいた家は出てこなかった。
大阪、までは出る。しかしその次の言葉を入れると検索内容に訂正が入るようだった。
もしかしたらスマホが壊れたのかもしれない。よくよく見れば見た目は全く同じだけどやってたゲームアプリは入ってないし充電ゲージもない。電話帳を開いても誰一人として登録されていなかった。これじゃ迎えを頼もうにもできない。
とりあえず現在地を知るためにマップを一度リセットすれば、大きく書かれた東都≠フ文字に天を仰いだ。太陽が眩しいだけだった。更にマップを拡大すれば現れる米花町≠フ文字に項垂れた。大声を出さなかっただけよく耐えたなあと思う。思うだけなんだけど。
聞き覚えのありすぎる地名に、天気がいいなあ、と思考を宙へ投げ出した。