空には星の数ほどの願いごと
「私と笹川さんどっちが大切ですか?」
「は? 」
俺の彼女の名字は人と少し変わっていて、例えるならクラスに一人くらいはいる電波ちゃんだ。
付き合ってしばらくたつから、名字の電波発言に慣れてはいたつもりだったけど、これには驚いた。
「綱吉くん、私と笹川さんどっちが大切ですか? 」
無表情でコテンと首をかしげてジィッと俺を見つめてくる。
友達である京子ちゃんと彼女である名字ならば比べる必要はない。答えは決まっている。
「名字だよ」
俺がそう言うとスッと目を細めて今度は俺に抱きついてきた。
「ドキドキしますか? 」
「うん、するよ」
ギュウッと一生懸命しがみついてくる名字を可愛く思う反面、少し照れる。
「綱吉くん、あのですね」
「ん、なに? 」
「遊園地にデートに行きたいです。そしてジェットコースター完全制覇してお化け屋敷行って綱吉くんに甘えて、最後に夜景の綺麗な観覧車に乗って頂上でちゅーしたいです。帰りは手を繋いでブラブラ歩きたいです」
何とも少女漫画チックで可愛らしい願望なんだろう。
「欲張りだなぁ」
俺がそう言えば少し不安そうに「ダメですか? 」と俺を見つめてくる。
「大丈夫だよ。いつ行く? 」
その瞬間名字はキラキラと瞳を輝かせて「次の日曜日がいいです! 」と言った。
title by ロストガーデン