その子、強個性につき。

この個性は、二度と使わない、使えないと思っていた。ヒーローに憧れたけれどもう個性は使えない。だから私は雄英高校に入ったけれど、普通科で過ごしていくものだと思っていた。

今年のヒーロー科は有名人だらけ。天才と呼ばれる爆豪くんを始め轟くんや緑谷くんなど入学早々いろんなトラブルや話が舞い込んでくる。

学級委員の飯田くんが焦ったように走っていく姿が見えて私は何故かそこに向かっていた。

「……きみは、」

ボロボロの緑谷くん達を見つけて私は守りたくなった。驚いたように目を見開く彼らを横目に、その後はプロヒーロー達が駆け付けてその場は収束した。


その後の話だ。緑谷くんや麗日さんから声をかけられたのは。

「名字ー。なんか客来てんぞ」
「え……?」

入口のドアを見れば、そこには腕に包帯を巻いた緑谷くんと麗日さんが手を振っていた。その横で飯田くんが綺麗なお辞儀をする。

「あの、きちんとお礼を言いたくて!」
「え?」
「助けてくれてありがとうございました」

なんて律儀な人だろう。純粋な瞳が眩しいほどに。

「あの、それでリカバリーガールからも聞いたんですけど、きちんとお名前と挨拶したくて」

「君の個性すごいなぁ!ねぇ、ヒーロー科に興味はない!?」

ヒーロー科に編入ってできないかな!?と提案するように。それは相澤先生にも耳に入っていたようだ。

体育祭で何故かA組候補生として参加が決まってしまった。


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