出かけた帰りの土砂降り。駆け込んだ先の売店で、立木ちゃんと出くわした。俺の方を向いて目を丸くしてる。
「びしょ濡れですね」
「傘忘れちゃってね、水も滴るいい男デショ」
「自分で言うな。」
笑った立木ちゃんにあわよくば入れてくれないかな、なんて思ったり思わなかったり考えてたら立木ちゃんは数秒考えたような素振りをしてまた中に入っていった。その背中を追うように中を除けばレジにいるおばさんに何か話しているようだった。
お姉さん、なんて声かけちゃって立木ちゃんって意外と煽てが上手い。楽しそうに短い会話を終わらせて出てきた立木ちゃんは傘を一本手にしていてそれを差し出した。
「いいの?使って?」
「阿呆、私も使います。そのままだと風邪引きそうだし。実家近いんでタオル貸すから。」
「実家」
「アパートがいい?」
「できれば!」
「…下心あるならすぐ帰ってもらうけど」
あわよくばご馳走になれたりして、飯的にも身体的にも。なんて思ってたのがバレたのかとドキリとした。慌てて取り繕って少し離れたところにある立木ちゃんの住むアパートにお邪魔させてもらう事になって、お風呂を借りたりあったかいもの貰ったりなんだか至れり尽くせりで不思議な気持ちになった。
「雨、やまないね」
「そうですね」
雨が止んだら帰って、なんて言っていたのになんだかんだ雨が止むことはなかった。結局夕飯まで作ってくれて二人でDVDを見たりしながらだらだらと時間を過ごした。
「泊まっていい?」
「何もしないなら」
今夜は理性との戦いのようだ。
終
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