昼休みを終えて午後一のこの授業は、とても眠気を誘う。
太陽も上にのぼり、心地よい光を教室に届けている。
長閑なこの空気が生徒たちの眠気を誘って、ちらほらと欠伸をする姿が目に入る。
終いには先生までもが欠伸をこぼす。
「ん…」
ふと耳に入った賑やかな声に窓際の生徒たちの視線は窓の外へ向けられる。
そういえば今日から水泳の授業が始まるんだとか何だとか言っていたような…。
いくら太陽が出ていても、できるなら冷たい水の中になんか私は入りたくない。
これから受けるだろうその授業に気分が下がる。
温水プールにでもすればいいのに、なんて無駄な思考を広げてみる。
「ねむいなあ…」
小さく言葉を零して、眠気を誤魔化そうと指先でペンを踊らせる。
ノートに書き写した文字の一部が、睡魔に負けたのだろうか最早文字としての仕事を放棄している。
自分で書いておきながら、解読不可能だ。
あまりに形を成さないそれを見て苦笑が溢れた。
ふと前の席の子がひたすらにプールの方を見つめているのに気がついて、視線の先を追ってみる。
(及川徹…)
彼女は及川さんのことが好きだと言っていたっけ。
前に、手作りのクッキー渡すんだと聞いたような気もする…。
男子同士で馬鹿をして笑っている姿を見て、彼女も微笑ましそうに笑みを零している。
あの人もあんな風に馬鹿みたいなことするんだ、以外。
もう一つ、欠伸をこぼしたところで、彼女があからさまに視線を逸らした。
「げ、」
思わず声に出して口元を押さえる。
及川さんがこの教室の方を向いている、ように見えた。彼女が顔を逸らしたのはこの所為か。
どうせ、気のせいだろうけど。
開けていた窓から肌寒いような冷たい風が入ってきて、そっと閉めた。
特にどうともしていないのに、なんとなく、ホッとしたような気がした。
彼はまだこちらの方を向いている。ように見える。
眼鏡越しに、窓を一枚隔ててぼんやりと授業の様子を眺める。
向こうからこちらは見えているだろうか。
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プールサイドでクラスメイトとふざけていて、そのうちの1人が水の中に落とされた。
それを見て回りも大爆笑。
ふと立木ちゃんの居るだろう教室に目を向けた。
確か窓際だったし、見えたりして、なんて思ってのことだったけど。
あれかなーなんて目星をつけることくらいしか出来なかった。
少し冷たい風が吹いて、中途半端に濡れた身体が震える。
誰かが窓を閉めたのが見えた。
目星をつけていた人物だっただけに、少しだけイラっとした。
終
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あいちょからのお題でした〜!
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