虚しい。と言うのだろうか。
する事がなくてベッドに体を鎮める。彼の匂いがする。心地いい。眠れたら楽なのに、今は眠くはないのだ。
目を閉じても浮かぶのは白いあの人のことばかりで、またどこかで好きな子を見つけては先に逝かれて私の元に帰ってくる。可哀想な人。
地獄の方へ出掛けた彼の帰りをただただ待つ。
ぽかんと胸に穴が空いたような感覚に襲われる。
一人は寂しい、一人で咲くのは悲しい。
人の心も花の心も何も変わらないのだと、思う。
「ただいま〜」
待ちわびた彼の声に起き上がる。
穴が空いたような感覚が消える。顔を覗かせた彼にお帰りと口を動かす。私の世界は思ってたよりも、彼を中心に回っているようだ。
終
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