貴方が思っているほど、僕は綺麗ではありませんよ。幻滅しましたか?
僕は小学生の頃デジタルワールドで一人の女の子に出会った。
陽気で自由で素直な女の子だった。
デジタルワールドでの旅の間、彼女は僕たちを守りながら案内役などを買って出てくれた。
パソコンが好きだったこともあって、デジタルワールドに僕は強い興味があった。
デジタルワールドの住民はモンスターのようなのに、彼女だけが人の姿をしていることに疑問を抱いて、共にいるうちに彼女のことを知った。
デジタルワールドにいる間、僕たちの身体はデータとして取り扱われているわけだけど、彼女のデータの一部がウィルスに犯されている状態で色々と症状が出ているらしいかった。
正常なデータに触れると静電気のような痛みが走る。容姿が以前とまったく変わらない。ものは食べれるけどお腹は空かない。一番困ったのはデジタルワールド以外で存在を維持できないことだった。
これは僕のエゴだけど、どうにか元の世界に戻してあげたいと思った。
彼女がそう言ったわけではないし、そう望んでるとも聞いたことはなかった、本当に僕のエゴだった。
幼いながらに色々と調べて勉強をして、実験を重ねて高校生半ば漸く彼女のデータ修復が叶った。
「こーしろーは、なんで私を助けてくれたの?」
いつものように彼女は僕のベッドで寛ぎながら時間を過ごす。彼女が現実に戻って5年が経って、彼女は高校生に、僕は大学3年になった。
初めて会った頃年上だった彼女は、今は5つ年下で今でも不思議な感覚におそわれる。
「僕のエゴです。」
「エゴ?」
「気になりますか?」
純粋な彼女は僕が良心で行ったと思っているだろうか。彼女と一緒にいたいという僕のワガママだって言ったら離れていくだろうか。
彼女が幸せならいいと思ってはいても、離したくはないと言ったら引くだろうか。
「前はデジタルワールドを調べるついでだって言ってたよね。だけどあんなに時間をかけて私を連れ出す理由って本当にそれだけなのかなって少し気になっただけだよ。」
「…隼乃さん、たぶん引きますよ」
「そうかな」
「じゃあ、言いますけど…簡単に言えば独占欲ってやつで…何て言うんですかね…大袈裟に言うなら部屋に閉じ込めてしまいたいというか…なんというか…とにかく隼乃さんが思ってるほど僕は綺麗な人間じゃないんですよ。」
「光子郎って、意外と束縛系?なんだ」
「…一応言っときますけど僕大分我慢してますからね…幻滅しました?」
全然。と笑った彼女に触れるだけのキスをする。
あとどれくらい我慢できるんだろうなんて考える。
「他の男のところなんか行かないで下さいよ」
「わたし、光子郎が思ってるよりずっと光子郎のこと大好きだし、ずっと一緒に居たいって思ってるよ?」
「そういうところですよ…絶対ですからね、僕から離れないでください」
終。
題:確かに恋だった
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