「来た…」
私のところに来た。でも、現時点山野さんも花さんも京子からも何か進展があったとは聴いていない。つまり順番は関係ない?寝る寸前に確認したニュースでも自殺関連のものはなかった。そのはず。
響くアナウンスに、電車が目の前で止まる。
乗ることはしない。その間に思考を巡らせる。
これは私への「手を出すな、さもなくば…」という警告だろう。そうだとすれば都合がいいが、相手はどう出る。
駅構内を歩く。文字はやはり読めているようで読めない。正しいようでおかしい空間。
ふと、昼間に棘に語った仮説を思い出す。
ここで私が自死すればどうなる。現実の体は死なないだろうが、この呪霊が私の体質を知っているとは思えない。
やる価値はあるか?電車に乗せられるまで待つか?それとも、目が覚めるのを待って3人に現状の確認を取るか?
やっぱりまずは3人の現場が優先だろうか…。ここで私が相手を挑発して3人に何かあっては元も子もない。
ならば、目が覚めるのを待つのが正しい。はず。
目覚めれば、野放しでもあるが。
目の前に止まり開いた扉に口角が上がった。
「上等じゃねえか。」
*************
目が覚めた。見慣れた天井にどこかホッとする。
深く息を吸って吐いてそこで己の腹部が赤黒く染まっていることに気づく。
京子、花さん、山野さんに現場変わりはないという確認をし、己の状況に思わずまた口角が上がった。
おそらく仮説は正しいはずだ。
ここで私が死ななければ恐らく他の被害者には手を出さないだろう。
ただ、時間はあまりない。私が死なないと知れば先に手を出すのは無力な人間の方だ。私の方はめんどくさいから先につぶしにきただけだろう。
しかしながら、眠れた事に変わり無い。
ここ数日よりは気分が良い。
着替えて教室に向かい、教室に入れば早速真希に睨まれる。
「おい、昨日何してた」
「昨日は…寝てた、普通に」
「おかか….」
「莉皇よぉ、昨日凄かったぞ」
「悪い、話が見えない」
「棘から話は聞いた。変な任務受けてんだろ。
恐らくそれだろ、眠ってる時に覚醒するんだろそいつ。それがやばかったっつってんだよ」
なるほどね。と理解する。
寮周辺の術式は話は通していたからおおごとにはならなかったが夜中から叩き起こされるように呪力を感じて寝るに寝れなかったと。
「….ごめんて。しばらくそれ続くから容赦して。
誰よりも先に私のところに来たからそろそろ私を殺しに来るはずだし、私が死なない事に気づくまでに祓わなきゃ行けないから….。」
「で、どうすんだよ」
「そこなわけ!夢の中に呪具持ってけないじゃん?
そこらへんどうにかならないかなあって…」
「めんたいこ?」
「まあ、普通にタイマンはるのが無難かなって…」
「脳筋すぎんだろ」
「他にどうしろってんだよ!」
憂太が帰ってきたら怒られるぞ〜とパンダにいじられる。バレなきゃいいだろ。と返せばバレなきゃねえと返ってきたので締めた。
続
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