理由なんて一つで良いよ

理由なんて一つで良いよ




「憂太はさあ…なんで私を選んだのかな」

「わかんないよ、そんなの」


ベッドの上で並んで寝ころがる。何をするでもなく、顔を見合わせて小さな会話をいくつか繰り返しては流れていく時間に身を任せている。


「じゃあ莉皇は、どうして僕を選んだの?」

「憂太が選んでくれたから」

「その回答はずるいと思う。」


言ったもん勝ちだ。と笑った立木の手が、乙骨の視界を遮るように流れ落ちた髪をそっと耳にかけた。


「僕に興味なんかないと思ってた」

「そう思っといてよく口説きに来たな」

「…僕のこと見てて欲しいなって…思って」

「へぇ〜」

「あっ!何その顔!?」

「べつに〜。」

「う…なんか僕だけ恥ずかしくない?」

「私はただ、憂太がかっこいいなって思ったからだよ。それだけ。」


はは、と短く笑う。乙骨は驚いた表情をして徐々に熱が顔に集まるのを感じていた。


「……それも結局僕が恥ずかしいだけじゃん」





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