一つ一つの苗木が丁寧にも手入れされ、屋敷へと深紅のバラが咲き乱れる道に、突如風を切るような音が響くと同時に、黒い霧の中から1人の女性が現れる。
だだっ広く存在感のある屋敷へと繋がる道へと黒のフレアコートを身につけ、ハイヒールをカツカツと鳴らしながら足を運ぶ1人の女性ーーー名前名字。
長いまつげに透き通るような青みがかったアイスグレーの瞳。
黒のハイヒールを鳴らすたびに、ゆるく巻かれたプラチナブロンドの髪が少しなびくその姿は、まるで悪魔のように美しい。
シルバーを基調としたアンティーク調の両開き扉が、まるで迎い入れるかのよう勝手にゴォーっとゆっくり開き、名前は屋敷へと入った。
中に入ると、高い天井にはいかにも値がはりそうな光り輝くシャンデリア。そして大理石で作られた大階段がまず目に入る。
名前が髪を手で後ろへと流すのに合わせ、着ていたフレアコートが消え、胸元から豊かな胸が見えるようなセクシーな作りの黒のタイトドレスが現れる。
その姿からは、ゾクッとするほど艶めかしい色気を醸し出している。
ヒールの鈍い音を響かせながら大階段を上がり、広い廊下に出るとほかの部屋とは違い、豪華な装飾がされている扉がある部屋と向かい、名前は部屋へと入った。
「相変わらず態度がでかいのね。」
扉を開けると、アンティーク調で纏められた薄暗い書斎の中で高級感の溢れる椅子に深く座り、スラリと伸びた長い脚を机の上に乗せて、待っていたと言わんばかりの表情を名前に向ける男。
名前がわざとらしい口調で話した相手ーーートム・リドル。
魔法界最恐と言われているかの有名なヴォルデモート卿だ。
「話したい事とはなんだ。」
血のように紅い瞳を持つ端正な顔立ちをしたヴォルデモートはわざとらしく口角を上げる。
「私、ホグワーツに入学するわ。」
「…フッ……何を言い出すかと思えば…。良い訳があると思うのか。断じて許さん。お前は俺様と同じ位強い魔力を持っていてかつそれをコントロール出来ているじゃないか…わざわざ学びに行く必要はないだろう。」
ヴォルデモートが言い終わる途端、部屋にあった高貴な置物がパリンッと音を立て独りでに割れ、破片が飛び散る。
手を仰ぐようにしてそれらを消し去るヴォルデモート。
「何故行きたがる?そもそもお前は年齢が「編入に決まってるでしょ!!年齢は言わない約束よね?」…フンッ」
ヴォルデモートにこれだけ突っかかる事が出来るのは名前ぐらいだ。
「毎日暇なのよ。楽しくない訳じゃないの。ただ新しい刺激が欲しいだけ。」
悪戯を考えたかのようにニンマリと笑い、真紅のルージュが塗られた唇が情欲をそそる。
すると、ヴォルデモートは無言呪文で名前を自身の座っている上に互いが向かい合うよう座らせる。
「クックックッ…お前らしいな。まぁ暇潰しに良いだろう…編入の手続きは私がやる。」
「ただ、簡単には行かせんぞ。約束を守れ。」
ヴォルデモートは名前の髪を艶めかしく撫でながら耳元で囁いた。
「頼りにしてるわ。ダーリン」
急に積極的になったヴォルデモートに負けじと、名前もヴォルデモートの頬に手を当て頬にキスをした。
そうして名前はホグワーツへの編入が決まった。