ある日の話。
広々とした屋敷の一角の部屋で、美しいプラチナブロンドの髪色の男女。
ソファーに深く腰を掛け、足を組んでいる美しいプラチナブロンドの髪の女と、同じくその髪色をした男が彼女が座るソファーの下で跪き、暖炉の前で言い争っていた。
「あぁ名前...!!君は美しい…まさに私が見惚れただけある…」
「それはどうもありがとう。けど、許さないわよ。」
「どうしてだ…!!私がこれだけ愛しているというのに…。…あぁ確かにあれはすまなかった。愛故になんだ…」
この男ーーールシウスマルフォイは、どうやら名前を怒らせたようだった。
「何が愛故よ。ふざけないで頂戴。」
「お願いだ…機嫌を直してくれないか...」
「何で私が悪いみたいに言うのかしら?貴方が勝手に入ってきたからこうなったのよ!?」
事の発端は昨日、名前が魔法省の幹部である男と密会していたそうだ。
「何をしていたんだ?まさかデートという訳じゃないだろう?私だって魔法省に務めているんだ。あんなやつより私の方が良いだろう?」
まるで捨てられた子犬のように泣きそうになりながら必死に名前に尋ねるルシウスは、普段の高貴ながらも醸し出す冷酷さは微々たりとも感じられない。
一向に話そうとしない名前にルシウスは次第に名前に言い寄り、段々と距離が近くなっていく。
いつの間にかルシウスとの距離は髪にルシウスの鼻息が掛かる程になってしまった。
ルシウスの香水が鼻腔をくすぐる。
「…もういいわ。確かにデートしたわよ!!何か悪いかしら!?魔法省に手を入れとくのは無いよりあった方がいいじゃない。私達にとっても得策よ?確かに貴方も魔法省に務めているけど、もっと深い情報が掴めるのよ。」
「君は私だけを、私だけを愛せばいい!!私だって名前しか愛していない!!」
「よく言うわね、ルシウス。じゃあ、この前のあの女は何よ?一緒に食事に行ったらしいじゃない」
「あ、あれはだな…何にも無かった。ただ食事をしただけであって」
「じゃあ何で1晩泊まった必要があったのかしら?貴方1人で寝れないのかしら?」
フフフッと笑いながら話す名前から漂う空気は、ヴォルデモートが出している同じ明らかな殺意を感じられた。
「………名前。すまない…」
謝ったルシウスはどうやら過ちを犯した様子。
「謝ったという事は認めるのね?まあいいわ。私も同じだもの。お互い様よ。」
「私は…名前を愛しているんだ。」
「今更そんなに事を言わないで頂戴。私に1人だけ愛するとか無理なのよ。しばらく私はヴォルの所に行くわ。貴方のこともきっちり言っておくから。」
そう冷たく言い残されたルシウスは魂の抜け殻のようになったのであった。
ルシウスの受難は続く。