15.一人じゃない
……まあ、予想はついてた。
わたしみたいな地味女がマサアキくんみたいな人の側にいればどうなるか、なんて。
「……花純、気にすることないから」
「大丈夫。ウチらがついてるし」
「絶対一人にはしないから」
「…………みんな。ありがとう」
震える声を抑え、ぎゅっと手を握る。
机には、『調子乗んなブス』と鉛筆で書かれていた。
……こんな在り来りなセリフしか書けないなんて。
そう思うものの、やっぱり心にくるものはあった。
机の書き込みを消してくれたので、お昼ご飯をみんなで食べる。
……なんか、喉を通らないなぁ。
なんて思っていたら。
「……ほーんと、卑怯なやつだよね。鉛筆ならすぐ消せるから証拠残んないだろうって」
「言いたいことあんなら直接言えっての」
「……それはそれで怖いかな」
「あーんもー!ウチらの可愛い花純をいじめやがって!」
「守ってやるからメロンパン買ってこい」
「ちょっと彩音ー!調子乗りすぎ笑」
「……ふふ、やっと笑ったね」
見ると、みんな笑顔でこっちを見ていた。
ふと優しくされるだけで、抑えていた涙がまた目の奥でくすぶりだす。
「我慢しなくていいよ。みんな花純がいい子だって知ってるもん」
「しばらくあたしと席変わろ」
「やっぱり花純は笑っててよ」
みんなの優しさが心に染み渡る。
「……っ、あり、がと……みんな。」
「もー泣いてる花純も可愛いーっ」
「あ、ほら、こすんないの。はいコレ」
「うわっ、女子力高〜っ!」
クラスメイトって、こんなにも近くて、こんなにも優しい存在だったんだ。