え、付録が欲しかっただけですよ

※ただ哀の主人公
※探偵さんと付き合う前

―喫茶店「ロングナイン」

「ふふ〜ん」

ムフフ。
今日発売のゼクシィの付録がなんと、アリスの鍋つかみ&鍋しき!
CMで見てつい買ってしまった。今どきの付録はなかなかしっかりしてるねー。
あ、買った雑誌どうしようかな。カウンターのところに置いておけば誰か読むだろう。
・・・・・いやちょっと気になるから読んでみよっと。
おお、国内リゾートで結婚式とか凄いな。このウエディングドレス可愛い。

カランコロンカラン

「いらっしゃいませ〜」
「やあれ、八神殿!ご機嫌如何か・・・・・」
「?」

いつものように、謎の決めポーズをして来店する探偵こと星威岳さん。
だけど、今日は私と目が合ったと思ったら固まってしまった。

「星威岳さん?」
「あ、いや・・・・・・オッホン」

やかましいくらいな星威岳さんの顔が少し赤く、静か。
それはそれで調子が狂う。

「体調良くないんですか?顔が赤いですよ。今温かい紅茶作りますね」

カウンターの端に雑誌を置き、紅茶を作り始める。
・・・・・・おかしい。いつもなら、紅茶のウンチクを語るために声をかけてくるのに。
ケトルに火をかけ、星威岳さんを見ると、顔を赤くしてそわそわしている。
え、風邪?

「ほんとに大丈夫ですか?」
ドンガラガッシャーン!!!

手を伸ばし、星威岳さんの額に手を当てると、驚いた猫の様に飛び跳ね、椅子から落ちた。

「だ、大丈夫ですか!?」
「な、なんのこれしき・・・・・風邪ではないので心配ご無用!」
「いやでも、めちゃくちゃ顔赤いですよ」

そう言うと星威岳さんは盛大に咳ばらいをし、虫眼鏡で私を見てきた。

「なんですか」
「・・・・・・八神殿は結婚願望がお有りですかな」
「へ?」

突然の問いかけに、変な声で返してしまった。
なぜ急に結婚願望の話がでて、あ、もしかして。

「ゼクシィを買ったのは付録目的ですよ。ほら、鍋掴み」

付録の鍋掴みを見せると、深いため息をつかれた。
なんだよ!


(雑誌が目に入った途端に、八神殿のウエディングドレスを想像し、舞い上がってしまったのは内緒ですぞ)

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付録目当てでゼクシィを買ってくる主人公、無駄にドキドキする探偵
探偵さんは頭の回転が早いから、すぐそういう想像してそう(偏見)