クソ暑い真夏の日曜日。私は体育館に居た。え、なんでかって?我が幼馴染みの古橋くんが「お前明日暇だよな暇だろ。練習にこい。花宮から了承も得ている。因みに拒否権はない」とマシンガンの如く言い放ったと思えばブチッと切ったからだ。とりあえず死ね。 というよりなぜ他校の私に頼む。他にもっと、こう…手伝ってくれる可愛い女の子が校内に。

「校内の女子は男目当てで来るヤツばっかで仕事しねえんだよ。いても邪魔なだけだ」
「きゃー花宮さんステキー」
「早く仕事しろ」
「しねクソ眉」
「お前が死ねデブス」

うっわー普段優等生気取ってるヤツうざ。古橋くんに連行されここに来た最初の時はいい人だと思ってたけど急に「早く働けよ」と言われた時の衝撃は半端なかった。それに対して「っるせー眉毛引きちぎんぞ」と言った私を褒めてやりたい。

「名前ちゃん相変わらずいい度胸してんネ」
「一哉くん程ではないっしょ?」
「いやぁ、花宮にあそこまでボロカス言える女の子なんて早々いないじゃん」

そうケラケラ笑う一哉くん、前髪お化け。最初ただのサブカル野郎かと思ってたら割と紳士的で驚いた。ただのオンナ好きと聞いた時は妙に納得した。それでも私の中の霧崎第一ランキングでは上位にくい込む。

「てか疲れたからザキさんとこ行ってくる」
「おー、いってら」

一哉くんの元を離れ私のオアシスであるザキさん、山崎さんのところへ向かう。すんごい強面な方だったけど霧崎で一番私に優しくしてくれる人だ。チョー好き。もう結婚して子供産みたいレベルで好き。

「ザキさん」
「あ?んだよ、また来てたのか」
「古橋くんと花宮さんのパシリにきたの」
「そりゃ災難だったな。もーちょいで休憩だろうしそん時にジュース奢ってやんよ」
「マジか!ザキさん愛してる結婚しよ!子供は何人がいい?」
「うわっ、急に抱きつくと危ねえだろ!ったく……まだ結婚しねえし子供もいらねえっつーの」
「ええ、ザキさんのいけずぅ」
「へーへー。おら、早く仕事終わらしてこい」

ベリっと体を剥がされた私は不貞腐れながらもベンチに戻り、置いてあるタオルをかき集めて外にある洗濯機へと向う。私が体育館へ向かったその後にザキさんが死にかける、そんなこと知る由もなかった。一体何があったの。

「ふがっ」
「あ、やっべ寝てる瀬戸さん蹴っちゃった」