名字名前、二十ピー歳。気が付いたら吸血鬼の『DIO様』に仕えることになっていた。パートナーのダンちゃんがお金で雇われたから私もついでに、との事だ。DIO様は私のように『スタンド能力』を持つ人間と友達になりとある血族を倒すことを考えている、みたいな話を執事であるダービー弟から聴いたかもしれなくもない。自分に直接関係なさそうな事は覚えない主義である。
「おい名前、聞いてるのか」
「きいてるゥ、今日の売上の話でしょ?」
「違うわアホ、この後DIO様の館に行くんだよ。向こうにホテルも取ってある」
「うっそヤダ、おめかししてきてない!ダンちゃん一旦おうちかえ、いだっ!」
「本当にお前は喧しいな、早く行くぞ。今日はいつもより売上が良かったのに……あの吸血鬼め…」
私の頭をはたいたダンちゃんは床を見つめブツブツと何か呟いていた。めちゃくちゃ怖い、目がイッちゃってる。そんなに呼び出された事に不満を持ってるのかな。あれでもご主人様なのにこんなこと知れたらヴァニラに怒られちゃう、アレを敵に回すのは心底恐ろしい。足りない頭でグルグル考えているとダンちゃんに右手を引かれてそのまま歩き出す。
「ねえダンちゃん、ダンちゃあん…」
「……」
「無視かよ」
いくら呼び掛けても反応しないので、されるがままに後ろを着いていくだけ。あれ、私達ホントにパートナー?それで?って思うぐらい今日のダンちゃんはそっけない。おうちに服もメイク道具も取りに行かせないなんてどうにかしてる。
「ホントやだわ……ね、ラヴちゃん」
背後にいる自分のスタンドに話し掛けると、何が?と問いかけるように首をこてん傾げる。あー、うちの子一番可愛い。ラバーズちゃんもちっちゃくて可愛いんだけどね。本体と違って。
「可愛げが無くて悪かったな」
「あ、口に出てた?」
「バッチリだ。ほれ、タクシーで空港まで行くから乗るぞ」
「はあい」
先に自分が乗り込み手を引いてくれるダンちゃん。こういうとこは腹立つけど紳士的でカッコイイと思っちゃう。まあ、調子乗ってくるから言わないんだけどね!早く用事済ませてエジプトでデートしようね、ダンちゃん。