2021/02/26(Fri)

キリマコ♀拍手お礼





「マコが、起きて、なぃ…?」
 ひゅっ。息が止まった。それはあのデスゲームから生き延びたキリトにとっては死刑宣告と同じだった。
 目の前で消えた命、いとしい人の消えるひどくかるい、ポリゴンの音。ねいろ。




「――――――――――――っっっっっっ!!!!」
 何も知りたくない、聞きたくないと声にならぬ声で叫んだ。居ないなんてそんなの、そんなの






 そんなもの、そんな、そんな、せ か い は














 ゆさゆさと揺すられる。

「かずと、かずと…?かずと…」

 ハッ、とその声に慌てて目を開ければそこにはまこがいた。
「かずと、どうしたの?何かあったの?どうしたの??」

 悲しそうにオロオロしながら呼んでくるまこに心底ほっとする。あれは夢だったのだ、と。
 帰ってきてすぐの、マコがいない世界だった時の。


「かずと…?」
「…――なんでもないんだ」

 そう。マコは俺の事を、人のことをとても心配する優しい人だと思っているから、あの時全部壊そうと思ったことなんて言わないし、こんなこと、気付いて欲しくないから。

「なんでもないんだよ、まこと。」
 お前がここにいるのなら、何も。
 ぎゅうと抱き締めれば、まこがきゃあと笑った。
 その笑顔が好きだ。この体温が好きだ。だから、知らなくていいんだよ。







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碧水の恋