私の前では
「なまえちゃん、何してるの?」
「ん……大学のレポートだよ」
私がベッドに寝転んだまま、すっかり放置していたレポートを進めていると、不意に日和くんがやってきた。彼はベッドに横になって私を抱き寄せると、肩口に頭を擦り寄せてくる。
「いつまでなの?」
「日付変わるまで」
「えっ!? あと30分しかないね!?」
「そうなの、だから構ってあげられないけど、大人しくしててね」
片手で彼の頭を撫で、またぽちぽちと文字を打つ。構成は考えていたから、文字にするだけだし日付が変わるまでには提出できる。日和くんは珍しく、文句のひとつも言わずに黙って私に抱き着いていた。
……十五分ほどかけて、なんとかレポートを書き終え提出できた。私がひと息ついてスマホを置くと、日和くんが待ち構えていたかのように私の上に乗りかかってきた。
「レポート、そんなに急に出されたの?」
「いえ……2週間ほど前に……」
「じゃあもっと計画的にやるべきだったね! ……きみがちっともこっちを向いてくれないのは寂しいね」
怒っているような、悲しんでいるような表情で、彼はそう言った。その様子がなんだかしおらしく可愛く思えて、優しく柔らかな髪を撫でた。
「ごめんね。待っててくれてありがとう」
「うんうん、このぼくが待ってあげるなんて、なまえちゃんにしかしないからね。思う存分感謝するといいね! もちろん……感謝は体で、示してほしいけどね?」
日和くんはそう言って、私の手のひらにキスをした。私の言葉も待たず、唇を奪われる。甘えんぼの猫みたいだなぁとぼんやり考えながら、日和くんの首に腕を回した。
「……日和くん、日和くん」
「なあに? わっ!?」
隙をついて日和くんの肩をぐるりとベッドに押さえつけ、上下を逆転させる。日和くんの上にまたがって、柔らかな唇に噛み付いた。
「待てができたご褒美、沢山あげるから零さず受け取ってね」
「……ぼくが下なのっ!?」
驚く彼にもう一度キスをして、綺麗に着られた寝間着に手をかける。唇を離せば、日和くんは顔を耳まで真っ赤にして、期待するような眼差しを私に向けていた。
普段あんなにかっこいいのに、本当、可愛いひと。