明日も明後日も
「なまえちゃん! なに見てるのっ?」
昼下がり、彼女は木漏れ日のなかお庭で本を読んでいた。駆け寄ってみると、彼女は眩しげに目を細めてぼくを見上げて笑った。
「日和くん。……見て、これ日和くんの小さい頃の写真」
「えっ、なんでそんなものきみが持ってるの?」
彼女の腰掛ける椅子の背もたれに腕を置いて、後ろから彼女の膝の上にあるアルバムを覗き込んだ。アルバムには幼い頃の自分や、兄上や、凪砂くんの写真が何枚も貼り付けられている。
「お義母さまがせっかくだからって送ってくださったの。ふふ、日和くんって小さい頃から可愛いんだね」
「うんうん、ぼくが可愛いのは生まれたときからずぅっとなんだよね! 凪砂くんも可愛いねっ」
「うん。日和くんと凪砂さん、こうやって並んでると天使さまみたい」
彼女はそう言って白い指先で写真を愛おしげに撫でる。ぼくはそんな彼女の横顔を覗き込みながら、見たこともない幼き日の彼女に思いを馳せていた。
「きみも、小さい頃から可愛かったんだろうね。ぼくもきみの子どもの頃の写真を見てみたいね!」
「うん、もし見つかったら持ってくるね。でも小さい頃って皆可愛く見える気がするなぁ」
「そうでもないね! でもきみだったら絶対に愛おしく思えると思うんだよね、もちろん、子どもの頃の姿でもこの先おばあちゃんになっちゃってもね」
「……うん。私も、日和くんがおじいちゃんになってもずっと可愛いしかっこいいって思えると思う」
アルバムから視線を外して、彼女は顔を上げる。その柔らかな笑顔があんまり可愛いものだから、ついぎゅうっと力いっぱいハグをしてしまった。ふわりと優しい花のような香りがする。
「うんうん、ず〜っとぼくのそばでぼくに見惚れてるといいね!」
「うん。……やっぱり私、明日泣いちゃうかも」
「ふふ、明日はぼくたちが主役だからね。泣いちゃっても良いけど、なるべく笑顔でいようね。それがいい日和!」
よしよしと彼女の頭を撫でてそう言うと、彼女はもうすでに少し潤んだ瞳でぼくを見つめ、笑った。
「日和くん、これからもずっと大好きだよ」
「うん。ぼくも……ちゃんときみのこと、大好きだね!」
予報では明日は雲ひとつない晴天になるらしい。きっとやさしい陽の光が、彼女を今までで一番綺麗に輝かせてくれる。だから明日は絶対、絶対忘れられない良い日になる。きっとその次も、そのまた次の日も。
昼下がり、彼女は木漏れ日のなかお庭で本を読んでいた。駆け寄ってみると、彼女は眩しげに目を細めてぼくを見上げて笑った。
「日和くん。……見て、これ日和くんの小さい頃の写真」
「えっ、なんでそんなものきみが持ってるの?」
彼女の腰掛ける椅子の背もたれに腕を置いて、後ろから彼女の膝の上にあるアルバムを覗き込んだ。アルバムには幼い頃の自分や、兄上や、凪砂くんの写真が何枚も貼り付けられている。
「お義母さまがせっかくだからって送ってくださったの。ふふ、日和くんって小さい頃から可愛いんだね」
「うんうん、ぼくが可愛いのは生まれたときからずぅっとなんだよね! 凪砂くんも可愛いねっ」
「うん。日和くんと凪砂さん、こうやって並んでると天使さまみたい」
彼女はそう言って白い指先で写真を愛おしげに撫でる。ぼくはそんな彼女の横顔を覗き込みながら、見たこともない幼き日の彼女に思いを馳せていた。
「きみも、小さい頃から可愛かったんだろうね。ぼくもきみの子どもの頃の写真を見てみたいね!」
「うん、もし見つかったら持ってくるね。でも小さい頃って皆可愛く見える気がするなぁ」
「そうでもないね! でもきみだったら絶対に愛おしく思えると思うんだよね、もちろん、子どもの頃の姿でもこの先おばあちゃんになっちゃってもね」
「……うん。私も、日和くんがおじいちゃんになってもずっと可愛いしかっこいいって思えると思う」
アルバムから視線を外して、彼女は顔を上げる。その柔らかな笑顔があんまり可愛いものだから、ついぎゅうっと力いっぱいハグをしてしまった。ふわりと優しい花のような香りがする。
「うんうん、ず〜っとぼくのそばでぼくに見惚れてるといいね!」
「うん。……やっぱり私、明日泣いちゃうかも」
「ふふ、明日はぼくたちが主役だからね。泣いちゃっても良いけど、なるべく笑顔でいようね。それがいい日和!」
よしよしと彼女の頭を撫でてそう言うと、彼女はもうすでに少し潤んだ瞳でぼくを見つめ、笑った。
「日和くん、これからもずっと大好きだよ」
「うん。ぼくも……ちゃんときみのこと、大好きだね!」
予報では明日は雲ひとつない晴天になるらしい。きっとやさしい陽の光が、彼女を今までで一番綺麗に輝かせてくれる。だから明日は絶対、絶対忘れられない良い日になる。きっとその次も、そのまた次の日も。