理性vs本能
人間が動物かそうでないか、と問われれば間違いなく動物だと答えるだろう。けれどどこかで他の動物と人間は違う生き物だと思い込んでいる節があることも、否めない。
では何が違うのかと言えば、それはきっと「理性」の有無だ。ヒトを人間たらしめるのは、紛れもなくこの理性というものなのだと、少なくとも俺はそう思う。
ところで――この理性というものが本能よりも上位に座するものなのかについては議論の余地がある。
例えば今、目の前で無防備に腹を出しうたた寝をしている恋人に対して、本能では襲ってしまいたいと思っているが理性ではブランケットを掛けるだけに留めておくべきだと考えているわけだ。が、どちらの選択が正しいのかなんて簡単には判断できない。
正直に言えば、八割ほどは本能に身を任せてしまいたいと思っている。いやあ、こんなところで無防備に寝ている方が悪いだろう……と。
しかし、彼女は睡眠を邪魔されるとありえないほど怒るというのも事実だ。怒られたくはないし、ここは良い彼氏らしくブランケットをかけて傍で見守るほうが良いのかもしれない。
「う〜む、究極の選択じゃ……」
これはまさに人間に課された究極の難題……人類史においても解決がなされていない哲学的問題だと言っても過言ではない。ウンウン唸りながら考え込み、ちらりと彼女の寝顔を覗き込む。
「……ん、れい……、ふふ、それ……たべちゃだめ、コンクリート……」
「一体どんな夢を見ておるんじゃ」
柔い頬を指先でつつくと、彼女はむにゃむにゃ寝言を言いながらくすくす笑った。しばらく続けていると、不意に指をきゅっと握られる。それがまるで赤ん坊のようで、すっかり毒気が抜かれてしまった。彼女にブランケットを掛けてやり、その隣に寝そべる。
今回は両者引き分けということで、彼女が起きたら改めて襲わせてもらおう。
では何が違うのかと言えば、それはきっと「理性」の有無だ。ヒトを人間たらしめるのは、紛れもなくこの理性というものなのだと、少なくとも俺はそう思う。
ところで――この理性というものが本能よりも上位に座するものなのかについては議論の余地がある。
例えば今、目の前で無防備に腹を出しうたた寝をしている恋人に対して、本能では襲ってしまいたいと思っているが理性ではブランケットを掛けるだけに留めておくべきだと考えているわけだ。が、どちらの選択が正しいのかなんて簡単には判断できない。
正直に言えば、八割ほどは本能に身を任せてしまいたいと思っている。いやあ、こんなところで無防備に寝ている方が悪いだろう……と。
しかし、彼女は睡眠を邪魔されるとありえないほど怒るというのも事実だ。怒られたくはないし、ここは良い彼氏らしくブランケットをかけて傍で見守るほうが良いのかもしれない。
「う〜む、究極の選択じゃ……」
これはまさに人間に課された究極の難題……人類史においても解決がなされていない哲学的問題だと言っても過言ではない。ウンウン唸りながら考え込み、ちらりと彼女の寝顔を覗き込む。
「……ん、れい……、ふふ、それ……たべちゃだめ、コンクリート……」
「一体どんな夢を見ておるんじゃ」
柔い頬を指先でつつくと、彼女はむにゃむにゃ寝言を言いながらくすくす笑った。しばらく続けていると、不意に指をきゅっと握られる。それがまるで赤ん坊のようで、すっかり毒気が抜かれてしまった。彼女にブランケットを掛けてやり、その隣に寝そべる。
今回は両者引き分けということで、彼女が起きたら改めて襲わせてもらおう。