アルコール
「よしよし、良い子だなァなまえ……♪」
地元のお父さん、お母さん、元気ですか。私は今、胡座をかいた彼氏に無理やり抱え込まれ、子どものように頭を撫でられ続けています。このまま放置していると私の毛根がダメージを負うのではないでしょうか。心配です。
彼が突然家に押しかけてきたのはおよそ二時間前。終電なんてまだまだ先の筈なのに、ぐでぐでに酔っ払った彼はコンビニのお菓子を手土産に家にやってきたのだった。ちょうど小腹が空いていたし、会うのもなんだかんだ久しぶりだったので迷わず中へ招いた。
そうすると、普段の言動からは想像しにくいほど彼が私を甘やかし始めたのだ。あまりにもらしくないので、お酒臭いのは我慢してされるがままになっているというのが今の私。
「あの、燐音……喉乾いたから、ちょっと」
「んん? あァ、水か。ちょっと待ってろ、すぐ戻るからな」
一度離れようと声をかけると、驚いたことに彼は自ら私のために立ち上がって水を汲みに行った。しかも離れ際、頬にキスまでしてきた。
普段の燐音と言ったら、キスは必ず口にするし絶対舌入れてくるし、私が何か落ち込んでたり弱ってるときでもなければこんなふうに何かを施してくれることもないというのに。……お酒は人を変えると言うけれど、ここまでくると熱があるんじゃないかと心配になってくる。
「ほら、こぼすなよ」
「あ、ありがと」
持ってきてくれた水を受け取ると、彼はまた私の背後に回ってぎゅうっと抱き着いてきた。なんだか落ち着かないというか、こんなに甘やかされると調子が狂う。
「燐音、結構酔ってるでしょ。もう寝る?」
「いや? 酔ってねェよ、お前はもう眠いのか?」
「えーと……うん。眠い」
「なら寝るか」
彼はそう言うと、私の持っていたコップを取り上げ机に置いた。肩と膝裏に腕を回し、ひょいとお姫様抱っこで私を持ち上げ寝室へ向かう。あまりのことに反応できずにいると、彼はそっと私をベッドに寝かせ、隣に寝そべった。
「傍に居てやるからな、安心してぐっすり寝ろよ」
「……こ、怖……」
「ン? 怖いのか? よしよし、大丈夫大丈夫」
優しい微笑みを浮かべながら、彼はぽんぽんと私のお腹の辺りを撫でる。鼻歌で子守唄らしきものを歌っているうちに、案の定彼のほうが先に眠りに落ちてしまった。
酔いすぎるとこうなるのだろうか。それとも、普段の態度は意識的なふるまいで、これが彼の本性なのだろうか。
……どちらにせよ燐音であることは変わりないけど、あんまり甘やかされると心臓に悪い。でもそんなに悪くなかったりして……絶対燐音には言わないけれど。
地元のお父さん、お母さん、元気ですか。私は今、胡座をかいた彼氏に無理やり抱え込まれ、子どものように頭を撫でられ続けています。このまま放置していると私の毛根がダメージを負うのではないでしょうか。心配です。
彼が突然家に押しかけてきたのはおよそ二時間前。終電なんてまだまだ先の筈なのに、ぐでぐでに酔っ払った彼はコンビニのお菓子を手土産に家にやってきたのだった。ちょうど小腹が空いていたし、会うのもなんだかんだ久しぶりだったので迷わず中へ招いた。
そうすると、普段の言動からは想像しにくいほど彼が私を甘やかし始めたのだ。あまりにもらしくないので、お酒臭いのは我慢してされるがままになっているというのが今の私。
「あの、燐音……喉乾いたから、ちょっと」
「んん? あァ、水か。ちょっと待ってろ、すぐ戻るからな」
一度離れようと声をかけると、驚いたことに彼は自ら私のために立ち上がって水を汲みに行った。しかも離れ際、頬にキスまでしてきた。
普段の燐音と言ったら、キスは必ず口にするし絶対舌入れてくるし、私が何か落ち込んでたり弱ってるときでもなければこんなふうに何かを施してくれることもないというのに。……お酒は人を変えると言うけれど、ここまでくると熱があるんじゃないかと心配になってくる。
「ほら、こぼすなよ」
「あ、ありがと」
持ってきてくれた水を受け取ると、彼はまた私の背後に回ってぎゅうっと抱き着いてきた。なんだか落ち着かないというか、こんなに甘やかされると調子が狂う。
「燐音、結構酔ってるでしょ。もう寝る?」
「いや? 酔ってねェよ、お前はもう眠いのか?」
「えーと……うん。眠い」
「なら寝るか」
彼はそう言うと、私の持っていたコップを取り上げ机に置いた。肩と膝裏に腕を回し、ひょいとお姫様抱っこで私を持ち上げ寝室へ向かう。あまりのことに反応できずにいると、彼はそっと私をベッドに寝かせ、隣に寝そべった。
「傍に居てやるからな、安心してぐっすり寝ろよ」
「……こ、怖……」
「ン? 怖いのか? よしよし、大丈夫大丈夫」
優しい微笑みを浮かべながら、彼はぽんぽんと私のお腹の辺りを撫でる。鼻歌で子守唄らしきものを歌っているうちに、案の定彼のほうが先に眠りに落ちてしまった。
酔いすぎるとこうなるのだろうか。それとも、普段の態度は意識的なふるまいで、これが彼の本性なのだろうか。
……どちらにせよ燐音であることは変わりないけど、あんまり甘やかされると心臓に悪い。でもそんなに悪くなかったりして……絶対燐音には言わないけれど。