香水
「ただいまじゃよ〜♪」
「んー、おかえり」
撮影やらなんやらで疲れて帰宅すると、リビングのソファに腰掛けテレビを見ている彼女を見つけた。隣に腰掛け細い身体を抱き締めて、頬や首もとに何度もくちびるを当てる。
いつもなら「よしよしお疲れ様」なんて言って頭を撫でるなり抱き返すなりしてくれるのだが、今日は強めに胸板を押し返された。
驚いて彼女の顔を見ると、なんとも言えない嫌そうな顔をしている。たとえるなら猫のフレーメン現象のときの顔だ。
「な……どうしたんじゃ? 可愛い顔をして」
「臭い」
「えッ!? く……くさい……? 俺が? マジで?」
ショックのあまりキャラも忘れて素で自分の腕を嗅いでしまう。特に汗をかくようなことはしてないし、ちゃんと風呂にも入っているし、臭いなんてことはないはずなのに。
「あぁいやその、ごめん、えーっと……香水かなぁ? 多分いい匂いなんだと思うんだけど、私、香水の匂いほんとに苦手で……乗り物酔いみたいに気分悪くなっちゃうの、ごめんね」
彼女は申し訳なさそうにそう言って立ち上がり、俺から距離を取った。香水、そうだ。そういえば今日取材の一環で香水を選んでつけてもらったんだった。
……しかしまさかこんなことになるとは。しかし自分でも気づかないくらいうっすらとしかつけていないのに、よく気づいたものだ。
「…………風呂入ってくる」
「あ、うん……」
「上がったら覚悟しとけよ」
「……早く上がってきて、零の匂いに戻って」
珍しくそんな甘えた声を出すもんだから、つい衝動のまま抱きつきそうになった。……が、拒絶されるのは目に見えていたので大人しく頷いてバスルームへ向かった。
風呂から上がると、髪も乾かさないままリビングに戻り、改めて彼女を強く抱き締めた。すると今度こそ彼女は満足そうに笑って、俺の背中に手を回し抱き返してくれたのだった。
勿論その後は、そのままひょいと持ち上げてベッドまで運び、ふたりで思う存分夜更かしをした。
「んー、おかえり」
撮影やらなんやらで疲れて帰宅すると、リビングのソファに腰掛けテレビを見ている彼女を見つけた。隣に腰掛け細い身体を抱き締めて、頬や首もとに何度もくちびるを当てる。
いつもなら「よしよしお疲れ様」なんて言って頭を撫でるなり抱き返すなりしてくれるのだが、今日は強めに胸板を押し返された。
驚いて彼女の顔を見ると、なんとも言えない嫌そうな顔をしている。たとえるなら猫のフレーメン現象のときの顔だ。
「な……どうしたんじゃ? 可愛い顔をして」
「臭い」
「えッ!? く……くさい……? 俺が? マジで?」
ショックのあまりキャラも忘れて素で自分の腕を嗅いでしまう。特に汗をかくようなことはしてないし、ちゃんと風呂にも入っているし、臭いなんてことはないはずなのに。
「あぁいやその、ごめん、えーっと……香水かなぁ? 多分いい匂いなんだと思うんだけど、私、香水の匂いほんとに苦手で……乗り物酔いみたいに気分悪くなっちゃうの、ごめんね」
彼女は申し訳なさそうにそう言って立ち上がり、俺から距離を取った。香水、そうだ。そういえば今日取材の一環で香水を選んでつけてもらったんだった。
……しかしまさかこんなことになるとは。しかし自分でも気づかないくらいうっすらとしかつけていないのに、よく気づいたものだ。
「…………風呂入ってくる」
「あ、うん……」
「上がったら覚悟しとけよ」
「……早く上がってきて、零の匂いに戻って」
珍しくそんな甘えた声を出すもんだから、つい衝動のまま抱きつきそうになった。……が、拒絶されるのは目に見えていたので大人しく頷いてバスルームへ向かった。
風呂から上がると、髪も乾かさないままリビングに戻り、改めて彼女を強く抱き締めた。すると今度こそ彼女は満足そうに笑って、俺の背中に手を回し抱き返してくれたのだった。
勿論その後は、そのままひょいと持ち上げてベッドまで運び、ふたりで思う存分夜更かしをした。