きらきら輝く星のような、明るくて元気で気さくなひと……という印象があった。仲のいいひとには独特なあだ名をつけたりしているみたいだし、いつか私も、なんてどこかで期待したりもしていた。

「やっほやっほー! ……って、あ〜〜……えと、オツカレサマデス……」
「あ、お疲れ様です」

ちょうどこの後トリックスターさんが使用する予定だったレッスンルームで片付けをしていると、少し早めの時間にスバルくんがやって来た。

 せっかく明るい挨拶だったのに、私がいるのに気がつくとなんだかよそよそしい挨拶になってしまう。もしかして嫌われているんだろうか。

「え、っと、俺、場所間違ってないよね? ここでレッスンって聞いてたんだけど〜……」
「ああいや、間違ってないですよ。少し後片付けをしていただけで……すぐ出て行きますね、ごめんなさい」

いそいそと支度を済ませて部屋を出ようとすると、思わず彼に引き止められた。

「えっ、もう行っちゃうの?」
「……えっと、はい……。何かありましたか?」

しっかりめに掴まれた手首と、大きな丸い瞳とを交互に見る。私が首を傾げるとスバルくんは慌てて手を離した。

「ううん! なんでもない!」
「なら、良いんですけど」
「うん! じゃあね、バイバイ!」

 引き止められたわりには呆気なく別れを告げられ、レッスンルームから出る。やっぱり嫌われているんだろうか、と重い溜め息をつくと、一度バタンと閉められたドアが勢いよく開けられた。

「あのっ、あのさ!」
「は、はい!」
「……こ、んどさ! 一緒にご飯食べたりとかしない?」
「はい! ……えっ、」

元気な声につられて理解する前に頷いてしまった。慌てて発言を撤回しようとすると、きらきらと輝く瞳と目が合った。

「ほんと!? よかった、じゃあまた連絡するからっ! バイバイ!」
「あっ、あの……はい、また……」

 やっぱり、とは言えないまま手を振る。バタンとまたドアが閉まる。閉まってからもしばらく部屋の前にひとりで立ち尽くしてしまった。

 ご飯に誘ってくれるってことは嫌われてないのかな、とか、あんなに嬉しそうに笑ってくれたの初めてかもしれない、とか、色々なことが次から次へと頭に浮かんではしゅわしゅわと消えていく。

少し高鳴る胸を落ち着かせるように一度深呼吸をして、そそくさとその場を立ち去った。