チョコレート
「あ……凪砂くん。おかえりなさい」
「ただいま。美味しそうだね」
帰宅してまっすぐリビングへ行くと、ちょうどお菓子を食べていたらしい彼女がソファ越しに振り返った。
コートも脱がないままソファの背もたれに手をつき、後ろから彼女の頬に触れる。彼女は少しくすぐったそうに笑いながら、机に広げていたチョコレートを一欠片、人差し指と親指で摘んだ。
「友達にもらったの。ちょっとお高めのやつ」
「……本当だ。日和くんに貰ったことがあるよ」
「ん」
私が有名なチョコレートブランドの名前を紙袋に見つけたのと同時に、彼女は摘んだチョコレートをくちびるで食んだ。そしてそのまま顔を上げて私を見つめ、じっと黙りこむ。
「……ふふ、いただきます」
髪が落ちないように耳にかけて、そっとチョコレート越しにキスをする。チョコレートはお互いの体温で徐々に溶けていった。口のまわりが汚れるのにも構わず、チョコレートと一緒に彼女のくちびるまでもを堪能する。しばらくしてチョコレートがすっかり溶けて無くなってしまうと、彼女はちろりと私のくちびるを舐めて口を離した。
「美味しいでしょ」
「うん、とても」
彼女はくすっと微笑んで、私の頬を軽く撫でる。その手のひらの体温は私より少し高くて、心地好くて、ほとんど反射的にその手に擦り寄ってしまう。それからおかわりをねだるように彼女のくちびるに触れた。触れ合ったくちびるからは、仄かにチョコレートの甘い香りがした。
「ただいま。美味しそうだね」
帰宅してまっすぐリビングへ行くと、ちょうどお菓子を食べていたらしい彼女がソファ越しに振り返った。
コートも脱がないままソファの背もたれに手をつき、後ろから彼女の頬に触れる。彼女は少しくすぐったそうに笑いながら、机に広げていたチョコレートを一欠片、人差し指と親指で摘んだ。
「友達にもらったの。ちょっとお高めのやつ」
「……本当だ。日和くんに貰ったことがあるよ」
「ん」
私が有名なチョコレートブランドの名前を紙袋に見つけたのと同時に、彼女は摘んだチョコレートをくちびるで食んだ。そしてそのまま顔を上げて私を見つめ、じっと黙りこむ。
「……ふふ、いただきます」
髪が落ちないように耳にかけて、そっとチョコレート越しにキスをする。チョコレートはお互いの体温で徐々に溶けていった。口のまわりが汚れるのにも構わず、チョコレートと一緒に彼女のくちびるまでもを堪能する。しばらくしてチョコレートがすっかり溶けて無くなってしまうと、彼女はちろりと私のくちびるを舐めて口を離した。
「美味しいでしょ」
「うん、とても」
彼女はくすっと微笑んで、私の頬を軽く撫でる。その手のひらの体温は私より少し高くて、心地好くて、ほとんど反射的にその手に擦り寄ってしまう。それからおかわりをねだるように彼女のくちびるに触れた。触れ合ったくちびるからは、仄かにチョコレートの甘い香りがした。