よそみしないで
「っしゃ! 来い来い来いッ」
今まで何度かラブホテルには来たことがあるけれど、室内のスロット機で全力で遊ぶ男を見たのは人生で初めてだった。短くなった煙草を灰皿に押しつけ、煙を吐き出して立ち上がる。
「ねぇちょっと、いつまでやるのそれ」
「ン、あァ、いやもうちょい……ほらあとちょっとで当たりそうな気がすンだよな〜」
私が後ろから燐音の顔を覗き込もうとすると、彼はあからさまに視線を逸らして誤魔化すようにそう言った。まさかこいつ……と思い、試しにその頬に軽いリップ音を立ててキスをしてみる。すると燐音は予想通り椅子から転げ落ち、真っ赤になりながら愕然と私を見上げた。
「燐音ちゃんさぁ、そんなに緊張しなくてもお姉さんが手取り足取り優しくしてあげるよ?」
「……っき、緊張〜? まさか、ここまで来て緊張なんかするワケねぇっしょ」
「そう? じゃあそろそろこっちおいでよ」
ベッドの真ん中に腰掛けて挑発気味に手招きする。燐音はゴクリと生唾を呑みこみ、いよいよ覚悟を決めたのか立ち上がってベッドに上がった。眉間に皺を寄せて見るからに緊張してますって感じの表情のまま、おずおずと私と向き合って座る。
「なまえ」
「なに」
「…………これだけはちゃんと宣言しとくけどよ、その……ぜってェ幸せにしてやるからな」
いつになく真剣な眼差しで見つめられ、不覚にもキュンとしてしまう。強く握りしめられた彼の拳に自分の手のひらを重ねて、包み隠さず笑った。
「なに今さら、もうなってるし」
「おう……」
触れた手の指を絡めあう。燐音はまだ緊張の混じった表情のまま、ちょっと不格好なキスをしてきた。普段はチャラめに見える彼が一生懸命愛を形にしようとするこの瞬間が、私はどうしようもなく好きだった。
とはいえスロットで遊んで待たされたぶん、少しくらい意地悪をしたってバチは当たらないだろう。と、自分から口を開けて舌を入れてみた。すると燐音は案の定驚いて咄嗟に後ろに身を引き、なんとも悔しそうな良い表情で私を見つめるのだった。
今まで何度かラブホテルには来たことがあるけれど、室内のスロット機で全力で遊ぶ男を見たのは人生で初めてだった。短くなった煙草を灰皿に押しつけ、煙を吐き出して立ち上がる。
「ねぇちょっと、いつまでやるのそれ」
「ン、あァ、いやもうちょい……ほらあとちょっとで当たりそうな気がすンだよな〜」
私が後ろから燐音の顔を覗き込もうとすると、彼はあからさまに視線を逸らして誤魔化すようにそう言った。まさかこいつ……と思い、試しにその頬に軽いリップ音を立ててキスをしてみる。すると燐音は予想通り椅子から転げ落ち、真っ赤になりながら愕然と私を見上げた。
「燐音ちゃんさぁ、そんなに緊張しなくてもお姉さんが手取り足取り優しくしてあげるよ?」
「……っき、緊張〜? まさか、ここまで来て緊張なんかするワケねぇっしょ」
「そう? じゃあそろそろこっちおいでよ」
ベッドの真ん中に腰掛けて挑発気味に手招きする。燐音はゴクリと生唾を呑みこみ、いよいよ覚悟を決めたのか立ち上がってベッドに上がった。眉間に皺を寄せて見るからに緊張してますって感じの表情のまま、おずおずと私と向き合って座る。
「なまえ」
「なに」
「…………これだけはちゃんと宣言しとくけどよ、その……ぜってェ幸せにしてやるからな」
いつになく真剣な眼差しで見つめられ、不覚にもキュンとしてしまう。強く握りしめられた彼の拳に自分の手のひらを重ねて、包み隠さず笑った。
「なに今さら、もうなってるし」
「おう……」
触れた手の指を絡めあう。燐音はまだ緊張の混じった表情のまま、ちょっと不格好なキスをしてきた。普段はチャラめに見える彼が一生懸命愛を形にしようとするこの瞬間が、私はどうしようもなく好きだった。
とはいえスロットで遊んで待たされたぶん、少しくらい意地悪をしたってバチは当たらないだろう。と、自分から口を開けて舌を入れてみた。すると燐音は案の定驚いて咄嗟に後ろに身を引き、なんとも悔しそうな良い表情で私を見つめるのだった。