※ヤッてませんが下品です。




「疲れました」
「わひゃっ……お、お疲れさま。あの……部分的にお元気な気がするんだけど」

帰宅して早々、茨はベッドに寝転がっていた私の上に乗ってきた。身体を被せるように体重をかけてきているから逃げられないし苦しいのだけれど、それより全然お疲れでない様子のモノが当てられているのが気になる。

「疲れマラってやつですね、すげぇムラムラします」
「え……今日はしないよ」
「は?貴女の意見は聞いてませんが。ヤりますか?じゃなくて、ヤります!って感じなんです、今」
「知らなぁい。どうぞ寂しく自己処理してください」

手を伸ばしてティッシュケースを取り、上に覆い被さる茨に投げつけた。別にできないわけではない。でもこれまで私のしたい時には疲れてるからと言って断ってきたくせに、自分がしたい時だけ出来るなんて虫が良すぎる。

私が顔を顰めていると、茨は笑って眼鏡を取り、サイドテーブルに置いた。お、諦めて寝るのかな、と油断したところで、腕をひとまとめに抑えられ服を捲りあげられる。

「わあっ!?ちょっと、離して……えっビクともしないんだけど」

腕を離させようと力を入れるが、茨の手は全く動いてくれない。

「そんな細い手で俺に勝てるとでも?大人しくレイプされてください」
「れ……レイプなの?や、もうっ、狡いって……茨、」

名前を呼んだところで、呆気なく唇を奪われる。こうやって流されちゃうんだよなぁ、とぼんやりそう思いながら、大人しく口を開けて舌を絡めた。

茨の少し大きな手が胸を包む。しばらくなんとはなしに軽く揉まれいると、茨の手が私の胸を包んだまま動かなくなった。茨の体はずっしりと重力のまま私に全体重を預けてくる。

「……茨?」
「…………んん"……」
「は?寝た……?」

すー、すー、と深い呼吸が聞こえる。確かにここのところ忙しそうにしていたしろくに眠っているところを見かけなかった。疲れマラなんて言っていたし、身体は相当疲れていたのだろう。

「……むっかつく…………」

茨の背に手を回し、ぎゅうっと抱きしめる。なんて自分勝手な男だろう。でもどうしてこんなことをされても、笑って許せてしまうのだろう。……なんて、今更自問自答するまでもないか。

溜め息をつき、茨の身体を隣へ流す。布団をかけて傍に寄り添い、ひとつ同じベッドの上で眠った。

翌朝には、珍しく茨の間抜けな寝顔が見られたので、こっそり写真を撮っておいてやった。ちなみに凪砂さんに写真を送ると、茨、幸せそうだね、なんて優しい言葉を返されてしまった。