声を聞かせて
握手会を考えた人は、正直天才だと思う。だって普段からあんなに大好きな人たちに、握手会では会えるだけでなく触れられるのだから。そんなの、いくらでもお金を払って行くに決まっている。
かくいう私も例に漏れず、巴日和くんの握手会があるたびに参加している。いつも笑って迎えてくれる日和くんと会って握手をすると、明日からまた頑張ろうと思えるのだ。
今日も長い列を辛抱強く待ち、何時間かした後、ようやくスタッフさんにどうぞと声をかけられた。荷物を置いて、日和くんのいるブースへ入る。
「こんにちは! あれ、きみこないだも来てくれてたよね?」
眩しい笑顔に迎えられ、緊張で震えながら握手をする。彼の手は少し柔らかくて、両手で包まれるように握手をすると、意外と男の子らしく大きいことに気付く。
彼の問いにこくこくと頷くと、緊張で話せない私を見て彼はくすりと微笑んだ。
ふわりとウェーブのかかった若草色の髪も、アメジストのような美しい瞳も、テレビ越しじゃない。確かにここにいて、私は今彼に触れているんだと思うと、今にも卒倒しそうだ。
「ふふ、何回握手しても喋ってくれないんだね。……もっときみとお話してみたいんだけどね?」
彼はそう笑って、周りを見る。そして一瞬の隙に、小さな紙切れを私の手に握らせた。私が驚いて目を見張ると、彼は小声でそっと私に耳打ちする。
「握手会じゃなければ、お話してくれる? ……連絡、待ってるね」
「え、あっ……」
私が何か言う前に、スタッフさんに声をかけられた。ドキドキと心臓を高鳴らせたまま、荷物を取ってそそくさとブースを離れる。
そして手の中でくしゃくしゃになった小さな白い紙をそっと広げると、そこには走り書きの電話番号とメッセージがあった。
『きみの声、聞かせてね!』
――綺麗で、品のある文字だった。ぶわ、と今更になって全身の血が顔に集まる。こんなこと、良くないのに。そうは思いつつも、小さな紙切れをなくさないよう大事に両手で包んだ。
***
リクエスト(巴日和×握手会)ありがとうございました!
かくいう私も例に漏れず、巴日和くんの握手会があるたびに参加している。いつも笑って迎えてくれる日和くんと会って握手をすると、明日からまた頑張ろうと思えるのだ。
今日も長い列を辛抱強く待ち、何時間かした後、ようやくスタッフさんにどうぞと声をかけられた。荷物を置いて、日和くんのいるブースへ入る。
「こんにちは! あれ、きみこないだも来てくれてたよね?」
眩しい笑顔に迎えられ、緊張で震えながら握手をする。彼の手は少し柔らかくて、両手で包まれるように握手をすると、意外と男の子らしく大きいことに気付く。
彼の問いにこくこくと頷くと、緊張で話せない私を見て彼はくすりと微笑んだ。
ふわりとウェーブのかかった若草色の髪も、アメジストのような美しい瞳も、テレビ越しじゃない。確かにここにいて、私は今彼に触れているんだと思うと、今にも卒倒しそうだ。
「ふふ、何回握手しても喋ってくれないんだね。……もっときみとお話してみたいんだけどね?」
彼はそう笑って、周りを見る。そして一瞬の隙に、小さな紙切れを私の手に握らせた。私が驚いて目を見張ると、彼は小声でそっと私に耳打ちする。
「握手会じゃなければ、お話してくれる? ……連絡、待ってるね」
「え、あっ……」
私が何か言う前に、スタッフさんに声をかけられた。ドキドキと心臓を高鳴らせたまま、荷物を取ってそそくさとブースを離れる。
そして手の中でくしゃくしゃになった小さな白い紙をそっと広げると、そこには走り書きの電話番号とメッセージがあった。
『きみの声、聞かせてね!』
――綺麗で、品のある文字だった。ぶわ、と今更になって全身の血が顔に集まる。こんなこと、良くないのに。そうは思いつつも、小さな紙切れをなくさないよう大事に両手で包んだ。
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リクエスト(巴日和×握手会)ありがとうございました!